ジョイセフ・カレッジTOHOKUレポート -2-
- 東北の女性支援
- レポート
2013.10.28
- 8月3日(土) ジョイセフ・ワークショップ (ジョイセフ 人材養成グループ 浅村里紗)
この日は、7月の初日に続き、ジョイセフで長年途上国の人材養成事業を担当している浅村里紗が、東北を元気にするためのドリーム・アクション・プラン作成への準備第一段階として、ワークショップを行いました。
「東北を元気にするために必要なこと」というワークショップ形式で、各自が東北を元気にするために必要なことを出し合い、グループ内で話し合いました。育児環境、心のケア、雇用、放射能、食、など、個人的なレベルから大きな課題までが出てきて、お互いが問題として抱えていること、またこういった問題を踏まえて、どのようにしたら東北を元気にしていけるかということなどたくさんのテーマについて考えました。
また別途、世界の現状を知ってもらうことも、これからの東北を考えていく上でも必要になってくると考え、世界の女性たちが置かれている現状や、ジョイセフの活動も紹介しました。ジョイセフは途上国で「コミュニティ・ヘルスワーカー」と呼ばれる、コミュニティから選ばれ、村の中で保健活動を行うボランティアを育成しています。その村を長期間にわたり主体となって変えていくのは、ジョイセフのスタッフではなく、コミュニティ・ヘルスワーカーをはじめ、村の人たち自身だと考えているからです。また、世界だけではなく、東北においてもDV(家庭内暴力)が増加していることについても伝えました。
受講生たちの声
- 「コミュニティ・ヘルスワーカー(CHW)の活動について、とても考えさせられた。地元のニーズや実情をよく知っているという点で、カウンターパートとは違った活動ができると思う。私は、東北のCHWを目指したいと思った。地域によっては、表現を変える、というように、その地域のデリケートな問題や実情を踏まえた活動ができれば、と思った」
- 「狭い範囲で、満足していない自分でも、広い世界に目を向ければ、恵まれた生活を送っていることが分かる。良く聞くことだけれど、同じ女性の具体的な話しを聞くと、自分に置き換えて考えられ、実にそう感じます」
- 「ワークショップでは、他の参加者の方がこのジョイセフ・カレッジでどんなドリームプランを作りたいか、という話を詳しく聞けたのがよかった。東北人の、黙して語らず、の姿勢。美徳であり、復興の足枷(あしかせ)にもなっている。ここをチャンスと捉えて、復興につなげていきたい」
- 8月4日(日) 講師: 村上弘子さん、高橋里奈さん
この日は、山形県で、青苧(あおそ)という繊維を蘇らせ、地域の活性化を図っている、青苧復活夢見隊から、村上弘子さん、そして高橋里奈さんをお迎えしました。
村上弘子さんは、山形県大江町の町職員として、大江町歴史民俗資料館の担当になった際に、青苧に注目しました。青苧とは、山野、特に人家近くに生えるイラクサ科の多年草であり、現代では雑草のように扱われていましたが、江戸時代には高級繊維として活躍した大江町の特産品でした。村上さんは、この青苧を復活させようと奮闘してきました。
そんな村上さんの活動に共鳴したのが、高橋里奈さん。高橋さんは、大学生時代に、研究の一環として村上さんをはじめとする、この青苧復活夢見隊の活動を知り、度々この地を訪れるうちに、大江町の魅力に圧倒され、なんと卒業後、大江町に移住してきた女性です。自分の生まれた場所で咲いて、土にかえっていくような、そんなスタイルに憧れたそうです。以来、高橋さんは、この青苧復活夢見隊の若いメンバーとして活動に参加しています。そして、青苧復活夢見隊が結成されてから6年、高橋さんに限らず、学生や大学など、この取り組みは、大江町という枠を超えて、様々な人たちと一緒に成長しています。
このような、同じ東北の山形で行われている町興しに、これから東北を元気にしていきたいと考える受講生は興味津々でした。どのように町の人々を巻き込み、行動してきたのかと質問した受講生に対して、「できるだけ人との繋がりをつくり、まずは行動していけば、論理や結果は後からついてくる」と村上さんは説きました。実際に行動に移して、結果を出している村上さんからの説得力のある言葉に、これから行動を起こそうと考えている受講生たちは、大きな勇気をもらったようでした。
受講生たちの声
- 「日本を、東北を元気に、というのはやはり、手の届く小さなコミュニティからというのを実感しました。夫婦や家族がお互いを思いやり、地域の人々と手を取り合って助け合い、地域でとれたものを食べる、それが自然な生活。大事な人や必要なものが手の届くところにある。なくても知恵や工夫でどうにかできる。困った時には頼れる人、場所がある。 そういう安心感があれば、人は自然と笑顔になれるのでは、と思いました」
- 「身近な物に目を向ける。身近な人との普段からの繋がりを大事にする。
行動力。探究心。やりたいことへは、遠慮をしないで突き進む。何歳になっても出来る。
村上さんがおっしゃった‘好奇心旺盛にして、まずはアクション’本の中の言葉ではなく、実際にされて来た方の口から伺うと、熱く胸に染みます」 - 「身近な物。何気ない事にヒントがある。とゆう事、そして、町興しや活性化にしてもリーダーのモチベーションと牽引力次第でネタの有無が問題では無いなと改めて感じました」