ザンビア「妊産婦支援プロジェクト」 プロジェクト終了後のフォローアップに行ってきました!

2014年11月10日

  • 活動レポート
  • ザンビア

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2011年1月~2013年12月の3カ年プロジェクトとしてザンビアで行ってきた「妊産婦支援プロジェクト」のフォローアップのため、ジョイセフ企画マーケティンググループの船橋がプロジェクト地域を訪問してきました。

ジョイセフは、ザンビア コッパーベルト州マサイティ郡の妊産婦死亡率削減を目指し、これまでに145名のコミュニティ・ヘルス・ワーカー(SMAG:母子保健推進員)を育成。地域住民に対して産前産後の健診の必要性を啓発し、クリニックの利用者を促進してきました。また、自宅からクリニックまで距離があることを理由に自宅出産を選ばざるを得なかった地域の妊婦さんのために、出産予定日2週間前から無料で滞在できる「マタニティハウス(出産待機ハウス)」をクリニックの隣に建設。施設で出産する妊婦さんの増加に効果をあげてきました。

今回の訪問では、プロジェクト終了後もSMAGがモチベーション下げることなく活動を続け、マタニティハウスおよび診療所の利用が行われているかについて調査してきました。

マタニティハウス第1号の利用者、まさかの減少!?

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実は、日本を発つ前から現地スタッフより、2011年8月にフィワレに完成したマタニティハウス第1号の利用者が減ってきているという話は耳に入っていました。

現地で早速聞き取りを行うと、第1号の利用者が減り始めたのは2014年に入ってからとのこと。併設するクリニックでは月に平均40人の妊婦さんがお産のために訪れているにもかかわらず、マタニティハウスを利用する人だけが減っていることがわかりました。

ところが、よく調べてみると、出産のリスクが高い、自宅がクリニックから遠く離れているなどといった、マタニティハウスに滞在することで安心して出産に臨んでほしい妊婦さんの利用は着実に増えていました。また、地域で啓発活動を行うSMAGの活動もそれぞれが強い責任感のもとに行っており、コミュニティにおける彼らへの信頼感も定着していました。

これらのことから、3年が経ち、目新しさが落ち着いたこともあり、本来はマタニティハウスに宿泊する必要のない近隣に住む利用者が減ったことが、利用数減少の一番の原因なのではないかと分析しています。

また、2013年11月にムコルウェにマタニティハウス第2号がオープンしたことで、利用者が見事に分散していることもわかりました。数字だけを見れば、確かに第1号の利用者は減ってはいます。
しかしながら、2つのエリアにマタニティハウスができたことにより、それぞれの地域住民に対するサービスの質は向上しているとジョイセフは考えています。

寄り添い、心を動かす。SMAGたちによる草の根の活動

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フィワレのマタニティハウスの利用状況についてSMAGや現地NGOスタッフに話を聞いている際、プロジェクト地区に住むひとりの女性のことが話題になり、実際に会いに行ってきました。

彼女の名前はバイオレット。年齢は41歳。現在妊娠7カ月です。これまでに9回の出産を経験していますが、産前産後の健診に行ったことはなく、すべて自宅出産してきました。バイオレットさんと医療施設を阻む要因は、距離と迷信。彼女の家からは、最寄りの保健センターでも25キロ離れています。交通手段のないバイオレットさんには容易に通える距離ではありませんでした。また、9人中4人の子どもたちを病気や怪我による感染症で亡くし、バイオレットさんと夫は子どもたちは魔術(witchcraft)に呪われたのだと信じ込んでいました。
そのため、「何をされるかわからない保健センターには行きたくない、行ったらもっと悪いことが起こるかもしれない」、と頑なな態度を崩しませんでした。けれど、SMAGが何度も夫婦のもとを訪れ、産前健診、施設での出産の重要性を説き、献身的に働きかけた結果、彼らの意識にも変化が訪れました。

バイオレットさんは産前健診を受診するようになり、ジョイセフスタッフが訪問したときには、10回目の出産はフィワレのマタニティハウスに宿泊し、保健センターで出産しようと思っていることなどを話してくれました。

このことは、改めて私たちに草の根の活動の大切さを教えてくれました。

一人でも多くの妊婦さんが安心して出産に臨めるように…

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次に訪れたマタニティハウス第2号(ムコルウェ)には、8名の妊婦さんが滞在していて大盛況でした。マタニティハウスの感想を聞くと、初めての出産を迎えるというプリシラさん(18歳)は、「マタニティハウスのことはSMAGが教えてくれました。電気も水道もあって、クリニックの隣で安心して出産を迎えられます。一緒に滞在している他の妊婦さんとのお話もためになります。来てよかったです」と話してくれました。また、マタニティハウス滞在が今回3回目となるバーサさん(23歳)は「家だと子どもたちの世話や、ご飯の支度、1日3回の水汲みもしなければならないけど、ここではゆっくり体を休めることができます」と、顔をほころばせました。

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「マタニティハウスができたおかげで、多くの妊婦さんが安心して出産を迎えています。元気な赤ちゃんを産むお母さんたちの姿を見ると、SMAGとしての活動へのやりがいになります」と語るのは、マタニティハウスの世話役を務めるジョージアさん(46歳)。ほぼ毎日マタニティハウスに通い、施設の管理、妊婦さんの世話をしています。

彼女のように、プロジェクト地域で活躍するSMAGは、自分たちの仕事に誇りを持ち、活動に積極的に取り組む人ばかり。145名のSMAGを束ねるリーダーも育ち、保健センターの助産師との連携・サポートで、彼らの存在はいまやコミュニティになくてはならないまでになっています。

しかしながら、ザンビアでは今でも約半数の妊婦さんが自宅で出産を行っています。広大な土地に人びとが点在しているため、SMAGの活動が届いていない地域もまだまだあります。

ジョイセフは、これまでに育成してきたSMAGの活躍がより地域に浸透し、ひとりでも多くの妊婦さんが施設で安心してお産を迎えることができるよう、今後もフォローアップを続けていきたいと考えています。

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