より良いコミュニケーションを目指して
- ガーナ
- レポート
2015.10.10
2015年6月29・30日の二日間、34名の地域保健ボランティアが参加し、コミュニケーション能力強化研修を実施しました。今回の研修は、特にお母さんと子どもが健康でいるために地域保健ボランティアが果たす役割と、それに必要な効果的なコミュニケーションに焦点を当てました。
母と子の健康を守る地域保健ボランティアの役割として、産前健診や施設分娩、産後ケアや子どもの健診の重要性を地域住民に伝え、必要であれば一緒に保健施設に行くなどの意見が挙げられた中で、特に参加者全員が重視したのは男性への働きかけでした。男性が母子をサポートすることで、例えば妊婦の重労働の軽減や母子の栄養改善といった家庭内での適切なケアや、保健施設までの交通費の確保などが容易になります。男性への効果的な働きかけとして、妊婦の疑似体験ができる妊娠シミュレーターを使った啓発活動の練習も行いました。シミュレーターを身につけた男性ボランティアは、妊娠時の体の重さと動きにくさに驚き、その体で女性が家事や畑仕事、子どもの世話をすることの困難さを痛感したとのことです。シミュレーターは、男性に女性の立場に立って考え、行動することの大切さを気づかせる「パワフルな」行動変容ツールだと参加者全員が高い関心を示しました。
ボランティアも相手の関心、理解度に合わせ、また相手の気持ちに寄り添ったコミュニケーションを実践しよう、と、二日間を通して何度も強調していました。
研修で学んだ手法を活用した活動計画を立て、研修は終了しました。研修後、早速中学校で妊娠シミュレーターを使った活動を行ったとの報告があり、地域保健ボランティアの活動に対するモチベーション向上にもつながりました。
- 目的
- 安全な妊娠・出産に焦点を当てた、質のよいリプロダクティブ・ヘルス(RH)サービスの提供と、住民に対する草の根の啓発活動を通した、対象地域の妊産婦の健康の改善
- 実施地域
- イースタン州コウ・イースト郡ヴォルタ川地区
- 現地協力団体
- ガーナ家族計画協会(IPPFメンバー団体)・ガーナ国家保健サービス
- 資金協力
- 公益財団法人JKA
ヴィリーナジャパン株式会社 他支援者
マギーエプロンを使った啓発活動の演習
手作りゲームを使った啓発活動の演習
グループワークの様子
妊婦さんが笑顔になるのに必要なこと
男性ボランティアの妊婦体験
妊婦は床に落ちた物を拾うのも大変
参加者皆で集合写真