生涯を通した女性の健康づくりを目指したプロジェクトが ザンビアで新たにスタート

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2018.2.16

外務省日本NGO連携無償資金協力の委託により実施してきた「ザンビア共和国妊産婦・新生児保健ワンストップサービスプロジェクト」が昨年12月に終了しました。そのプロジェクトの経験に基づき、2018年1月29日から新たな3カ年のプロジェクトがザンビアで実施されます。プロジェクト名は、「ザンビア共和国ワンストップサービスサイトによる生涯を通した女性の健康づくりプロジェクト」。今回は、思春期から更年期までの女性のライフサイクルに焦点を当て、思春期教育から母子保健、家族計画、子宮がん、乳がんといったさまざまなテーマを盛り込み、女性の健康向上を目指します。

新プロジェクト開始に先立ち1月26日(金)に在ザンビア日本大使館で署名式が行われました。側嶋秀展大使ご出席のもと、ザンビア保健省からは、臨床ケア・診断部部長ンザレ医師、またプロジェクト対象地のマサイティ郡保健局長とルフワニャマ郡保健局長、ザンビア家族計画協会(PPAZ)、そして20名ほどのメディアを含め総勢30名ほどが参加しました。

側嶋大使からは、「新しいプロジェクトは、前プロジェクトの10地区に加え、16地区に活動の範囲を広げることになります。ライフサイクルを通した幅広い年齢層の女性を対象とする母子保健推進、若者ピア・エデュケーターの啓発活動や、保健センターの施設改善を通して多くの女性が質のよい保健サービスにアクセスでき、またザンビアでのユニバーサル・ヘルス・カバレッジに貢献することを願っています」とあいさつをいただきました。
保健省のンザレ医師は、「妊産婦・新生児死亡削減は、ザンビアの国家保健戦略の一つであり、本プロジェクトがさらに多くの女性、そして子どもたちの健康向上に寄与することを期待しています。また、日本の皆さまからの温かいご支援に心から感謝申し上げます」と述べました。

また、本プロジェクトを担当する船橋は、「ザンビアの妊産婦死亡率は、2007年の591(出生10万あたり)から2013-2014年の398(同)へと大きな改善を示しましたが、持続可能な開発目標の目標3と目標5を達成するには、まだ多くのやるべきことが残されています。母子の死亡の80%は防げると言われています。私たちジョイセフは、前プロジェクトの経験と過去30年間のザンビアでの活動経験を活かし、新たな活動地であるマサイティ郡とルフワニャマ郡で、女性の健康促進に向けた活動を展開し、一人でも多くの女性と子どもの命を救うことを目指します」と決意表明をしました。

当日の様子は、現地の新聞やラジオにも取り上げられました。

2月からは各プロジェクトサイトで地区保健運営委員会を設立し、4月には、180名の新規母子保健推進員の養成が始まります。ザンビアのコッパーベルト州マサイティ郡とルフワニャマ郡で、女性の健康改善に向けた新たな活動がスタートします。