シリア母子支援活動報告 ~紛争下の女性が安全に出産できるように
- レポート
2019.6.20
2016年12月より2017年2月末まで実施した「シリアの紛争下の女性を救え!」募金キャンペーンへのご協力を誠にありがとうございました。
ジョイセフはお寄せいただいた寄附金(30万3000円)を活用し、紛争の影響により避難生活を強いられている女性が一人でも多く安心して出産ができるように、国際家族計画連盟(IPPF)の加盟協会であるIPPFシリア(シリア家族計画協会:SFPA)と協力し、紛争の激戦地となってきたアレッポ県とホムス県において、民間病院での出産費用の支援と妊娠中から出産後までのケアの支援を行いました。
対象地域の不安定な治安状況の影響により、海外送金にとても長い時間がかかったり、また計画通りに準備が進まなかったりと障害が多い中で活動を進めてきましたが、2018年9月に活動を終えて、47組の母子に支援を届けることができました。
改めて、ご支援くださった皆さまに感謝申し上げます。
現地から届いた写真をご紹介いたします。
お母さんと赤ちゃんには、出産お祝いカードを贈りました。カードには、お母さんの名前、出生日、赤ちゃんの身長・体重が記入されています。
シリア紛争が始まる前までは女性は公立病院で高い水準の医療サービスを無料で受けることができましたが、爆撃で病院の多くが破壊されたために、安全な出産を求める女性は、かろうじて稼働している民間の病院を頼るしかありませんでした。
しかし、民間病院のサービスは非常に高価で、貧しい女性たちは、助産師などの立ち会いがないリスクの高い自宅での出産を選ばざるを得ず、その結果、妊産婦死亡の状況が紛争前に比べて悪化していました。
このような背景の中、ジョイセフはIPPFシリアと連携し、アレッポ県とホムス県それぞれにおいて、協力してくれる民間病院を見つけ、47人の女性の出産費用(通常分娩39人、帝王切開8人)を支援しました。また、IPPFシリアの無料クリニックを通じて産前産後のケアを行いました。
日本からの支援で無事生まれてきてくれた赤ちゃんの健やかな成長を願うとともに、活動をご支援くださった皆さまに心より感謝申し上げます。