【開催報告】「オンライン勉強会−経口中絶薬について学ぼう!」 リプラ・SRHRユースアライアンス共催

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2023.4.7

現在、日本では飲む中絶薬「メフィーゴパック」について、厚生労働省で承認が検討されています。承認されれば、国内で初の経口中絶薬となります。

これを受けて、リプラ(リプロダクティブライツ情報チーム)とSRHRユースアライアンス(事務局ジョイセフ)は、2月22日(水)に「オンライン勉強会−経口中絶薬について学ぼう!」を開催。リプラからは産婦人科医の遠見才希子さんが、ジョイセフからは事務局次長の小野美智代が、またSRHRユースアライアンスからはユース4名が登壇しました。イベントには、約130名の方々が参加してくださいました。

遠見さんからは、中絶の基本的な知識から経口中絶薬の作用の仕方、選択肢を持つことの重要性まで、幅広くお話していただきました。

日本での初期中絶手術では、金属製の器具で掻き出す「掻爬(そうは)法」が多く行われていることに対し、WHOによる勧告や世界からの批判を受けていることを指摘。また、ヘルスケアの一手段である中絶が自費負担であること、母体保護法に基づく配偶者同意や同法による指定医師しか中絶を行うことができないこと、中絶へのスティグマなどが今の国内の中絶課題であると示しました。

1994年に国際人口開発会議で「性と生殖に関する健康と権利(RHR)」が提唱され、国際的な潮流は中絶を行う当事者を中心としたケア・医療・支援・教育を目指す動きになっています。遠見さんは、他者による中絶するかしないかのジャッジや、中絶を悪とするスティグマをなくし、当事者が経口中絶薬や安全な中絶手術を自ら意思決定できる選択肢が増えることを求めました。

SRHRユースアライアンスからは、ユースメンバーがリレートークで国内の現状の改善を訴えました。望まない妊娠をした未成年から相談を受けたメンバーは、中絶手術をためらう言葉から金銭的負担や手術への恐怖がうかがえたと言います。

特に若年層は、こうした負担のほか、保護者や学校に知られることへの不安、パートナーと解決する難しさによる悩みなど、あらゆる負担が一人で抱え込む要因になると指摘したメンバーもいました。

またスウェーデンに留学中のメンバーは、現地の事情を話した上で、どのような中絶法があったとしても選ぶのは本人だとし、全ての人の自分の身体のことを自分で決めることができる権利つまりSRHRが守られるべきと訴えました。最後にSRHRの観点から費用の無償化または・低価格化と配偶者同意の撤廃の必要性もメンバーからお話ししました。

パブリックコメントの実施後、経口避妊薬の正式な承認は早くて春ごろになる見通しです。SRHRユースアライアンスでも今後も動向を見守っていきます。

SRHRユースアライアンス メンバー
ももか