イベント報告【性とからだのMYノート「SRHR NOTE」発表会】
2024.2.15
- レポート
2024年2月7日(水)に【性とからだのMYノート「SRHR NOTE」発表会】を渋谷区にて開催いたしました。
当日は性教育従事者、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利)関連に取り組む団体・企業の関係者、メディア関係者をはじめとした多くの方にご来場いただきました。
イベントの模様はテレビでも放映されるなど、様々な反響をいただいております。
「SRHR NOTE」誕生の背景
企画・執筆者から、2023年にI LADY.が15-29歳の若者5,800人を対象に実施した「性と恋愛意識調査2023」の結果の一部を紹介しながら、SRHR NOTEの企画にいたる思いをお話ししました。
「性と恋愛意識調査2023」において、性的同意は「絶対に大事だと思う」と考える15-29歳の若者は全体の90%を超えました。その一方で、性的同意を「本当に得られているか自信がない」、具体的にどういうものか「正直わかっていない」と回答する若者が40%程度いることが判明しました。また同調査では、若者の半数以上が、情報が錯綜するネットやSNSから性に関する情報を得ていることが明らかになりました。
日本ではジェンダーギャップや包括的性教育の不足から、人が生まれながらに持つべき権利(人権)であるSRHRをすべての人が享受できているとは言えない現状があります。
そんな状況の中、一人ひとりが一度立ち止まって自分のSRHRと向き合う機会を持ってほしい、自分の人生を自分で決めて行動する後押しをしたいという思いから、SRHR NOTEは誕生しました。
「SRHR NOTE」の特徴と使い方
SRHR NOTEは、前身となるI LADY. NOTEから以下の点を改善しました。
- グループセッションをしても、一人で読んでも、同様に知識が得られる
- セルフチェックや自分の体調を記録できるダイアリーのページを追加
- 性別や年齢に関係なく活用しやすい
イベントでは実際に「ジェンダー」のページを使って、ミニワークショップを実施。「男は人前で泣いてはいけない」のような、性別に基づく思い込みや決めつけの言葉を向けられたり、内面化させられたりした経験を、振り返っていただきました。
さらに、SRHR NOTEをすでに活用いただいた高校の事例も紹介。保健体育の教科書の副教材として使ったり、好きなイラストを描き込むなどして生徒さんが自分だけのMY NOTEを作成したりする様子を共有しました。
監修の先生方とのパネルディスカッション
イベントの後半では、SRHR NOTEを監修した稲葉可奈子先生(産婦人科医)・小堀善友先生(泌尿器科医)と、企画・執筆を担当した青山・櫻井がパネルディスカッションを行いました。性的同意・子宮頸がんやHPVワクチン・男性のSRHR・プレコンセプションケア…など、SRHRが様々なトピックに横断的に関わる重要な権利であることを再認識する内容となりました。
さらに会場からは、SRHR NOTEの内容を若者だけでなく、大人にも広めていくことを見据えた質問などをいただきました。監修した先生方からも、I LADY.のターゲットである10-20代の若者の「自分で決めて行動する」を周りの大人が後押しできるよう、大人にもぜひ改めて知ってもらいたい内容であるとコメントをいただきました。
SRHRを広げる「チャレンジ」はつづく
I LADY.プロジェクトが立ち上がった2016年には、日本でほとんど浸透していなかったSRHRという言葉。8年間で社会での注目度は高まり、性的同意の重要性などその一部は認知が広がりつつあると言えるかもしれません。しかし、まだ「SRHR」という言葉や概念自体はまだまだ一般的ではありません。今回企画・執筆者が、あえて「SRHR NOTE」と名付けたのには、「チャレンジ」の気持ちもあったとのこと!SRHR NOTEをツールのひとつとして、SRHRのすそ野が広がることを願っています。
イベントの様子は後日動画を公開予定ですので、ぜひ楽しみにお待ちください。
SRHR NOTEの詳しい内容は特設ページにて掲載しておりますので併せてご覧ください。
特設ページはこちら
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SRHR NOTEを1冊お買い上げいただくたびに、100円がジョイセフを通じてI LADY. の活動に使われます。また、チャリティ分を除いた売上はSRHR NOTEの増刷に使われ、さらなる頒布を目指します。