女性差別撤廃委員会の日本政府審査に向け、市民社会レポートを提出しました

2024.9.9

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2024年10月ジュネーブで開催される第89回女性差別撤廃委員会(CEDAW:Committee on the Elimination of Discrimination Against Women)では、8年ぶりに日本政府が審査されます。
このたびジョイセフは6団体と連携し、日本におけるSRHR課題に関する市民社会レポート(以下「SRHR市民社会レポート」)をとりまとめ提出しました。

女性差別撤廃委員会の審査では各国政府が提出する「政府レポート」ほか、「市民社会レポート(シャドウレポート)」と呼ばれる、NGO等の市民社会団体、個人からもレポートを提出することができます。これらのレポートはCEDAWの理事局を務める、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に提出します。

日本政府の報告書が女性差別解決のために、政府が取り組んできたことを記載するのに対し、市民社会レポートでは市民の目から見た日本社会におけるジェンダー不平等の現状や、女性差別の実態を報告します。国連は市民社会レポートを有益な情報源として、審査の参考資料として歓迎しています。

今回のSRHR市民社会レポートでは、性と生殖に関する健康と権利(SRHR)とりわけ、LBT(レズビアン(Lesbian)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)女性、ノンバイナリーおよび多様なジェンダーの人々を含む、日本の女性の身体の自己決定権の継続的かつ現在進行中の問題に焦点をあてています。

SRHR市民社会レポートは以下の6つの問題を提起しています。

  1. 優生保護法に基づく強制不妊手術の被害者の救済
  2. 包括的性教育の公教育への導入
  3. 堕胎罪撤廃・母体保護法改正
  4. 安全な中絶、緊急避妊薬を含む避妊法へのアクセス
  5. 性的指向及び性自認に基づく差別禁止法の制定、トランスジェンダーの人々のSRHRをめぐる諸課題、多様なジェンダーの人々が直面する差別
  6. 婚姻の不平等(同性間の婚姻の法制化)
共同執筆団体(7団体)

今回の審査で女性差別撤廃員会から日本政府がどのような勧告を受けるか。勧告に対して日本政府がどのように回答し、対処していくのか、注意深く追っていく必要があります。私たち市民社会が政府の動きをモニタリングをしていくことは、人権を守り、すべての人が生きやすい公正な社会を作っていくことに繋がります。みなさんも、CEDAW日本審査をめぐる日本政府の動きに注目してください。

女性差別撤廃委員会(CEDAW)に提出した市民社会レポートはこちらです。

市民社会レポート(英語)

市民社会レポート(日本語)

国連人権理事会のサイトに、SRHR市民社会レポートが掲載されました!
以下のリンクから、「Japan」→ 「Info from Civil Society Organizations (for the session)」と進むと、「Japanese Organization for International Cooperation in Family Planning (JOICFP)」のレポートがダウンロードできます。https://tbinternet.ohchr.org/_layouts/15/treatybodyexternal/SessionDetails1.aspx?SessionID=2715&Lang=en

もっと知りたい人のためのイベントのご案内

CEDAWとは? SRHR市民社会レポートについて共有するオンラインイベントを開催します。

【Xスペースライブ】

  • ①9月14日(土)19時~
     
    スピーカー:大橋由香子さん(ソシレン)、福田和子さん(なんでないのプロジェクト)、草野洋美(ジョイセフ)
     
    テーマ:堕胎罪撤廃・母体保護法改正、安全な中絶医療ケアへのアクセス改善について
     
    https://x.com/NGO_JOICFP/status/1833715536901087491
  • ➁9月17日(火)19時~
     
    スピーカー:寺原真希子さん(マリフォー)、高井ゆと里さん(Tネット)
     
    テーマ:婚姻の平等について、トランスジェンダーの人々のSRHRをめぐる諸課題について
     
    https://x.com/Yutorispielraum/status/1833509925424976272
  • ➂9月19日(木)20時~
     
    スピーカー:染矢明日香さん(PILCON)、草野洋美(ジョイセフ)
     
    テーマ:包括的性教育の学校教育導入、緊急避妊薬を含む避妊法へのアクセス改善について
     
    https://x.com/NGO_JOICFP/status/1833717774121914612
  • ④9月21日(土)20時~

    スピーカー:大橋由香子さん(ソシレン)、高井ゆと里さん(Tネット)、草野洋美(ジョイセフ)
     
    テーマ:優生保護法と性同一性障害特例法における生殖の不正義について
     
    https://x.com/Yutorispielraum/status/1833512644969697707

【オンライン勉強会(Zoom開催)】

  • ⑤9月25日(水)18時30分~20時
     
    世界避妊デー記念 オンラインイベント(Zoom開催)
     
    申込方法:https://forms.gle/fCM11Y7Atvpo4ZGCA
     
    「8年ぶりに日本にジェンダー平等特化の勧告が!今こそ知りたい、国連女性差別撤廃条約と審査のパワー」
     
    登壇者:斎藤文栄 国際女性の地位協会理事、大橋由香子 SOSHIREN、草野洋美 公益財団法人ジョイセフ、福田和子#なんでないのプロジェクト、染矢明日香 NPO法人ピルコン、高井ゆと里 Tネット、寺原真希子 公益社団法人マリッジフォーオールジャパン

【ハイブリッド開催】
⑥ 2024年9月27日(金) 18:30-20:00
「SRHRスタンディングアクション2024~MY BODY MY CHOICE・私のからだは私のもの!~」
 
場所:東京駅行幸通り(みゆきどおり/ぎょうこうどおり)(東京都道404号皇居前東京停車場)
*ポリタスTVライブ配信あり
https://www.youtube.com/live/ZoOtiEH_reM
 
内容:SRHR(性と生殖に関する健康と権利)の推進、ジェンダー平等の実現を求める団体や個人の参加者によるリレートーク、現地参加できない方からのメッセージの代読、参加者全員でのスタンディングポーズでの記念撮影
 
主催団体:公益財団法人ジョイセフ+Japan SRHR Promotion Network (JSPN)
参加方法:詳細はこちら https://www.joicfp.or.jp/jpn/2024/08/16/55417/
 

2023年のスタンディングの様子