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【現地レポート】ケニアの命を守る最前線へ。非正規居住区の現状と、希望をつなぐ手術室。

2026.4.24

  • 活動の現場から

現在、私たちはケニアでのプロジェクトを進めています。先日、現地の医療施設や「非正規居住区(一般的にスラムとも呼ばれる地域)」を視察してきました。

そこで目にした、厳しい現実と、着実に進み始めている「希望」の様子を皆さんにお届けします。

「手術室がない」という驚きの現実

今回、私たちはケニアのナイロビ市内にある「マカダラ」という地域を訪れました。ここには45の医療施設がありますが、公立の医療施設はわずか11カ所。マカダラの人口は約27万人で、国内最高に人口密度を誇る首都ナイロビの中でも、最も人口密度が高密度なエリアの一つであるにもかかわらず、です。

驚いたのは、その医療体制の現状です。 実は、ナイロビ市内の17の地区の中で、「お産のための手術室」があるレベル4(外来・入院診療に加え、分娩や手術などの基本的な医療サービスを提供し、下位施設からの紹介を受ける郡レベルの中核的な病院)の公立病院は、現在たったの1カ所しかありません。

本来、重篤な合併症や帝王切開に対応できるレベルの病院には、手術室が備わっているべきなのですが、現実は追いついていないのです。今回、ジョイセフの支援によってマカダラ病院に手術室が設置されることで、ようやく「市内2カ所目(レベル4の公立病院として)」の拠点が誕生します。

これが完成すれば、救える命が劇的に増えるはずです。

非正規居住区を襲った洪水。それでも歩みを止めないために

一方で、厳しい現実にも直面しました。 視察した非正規居住区地区は、最近の洪水で甚大な被害を受けていました。貴重な無料の給水タンクは壊れ、川沿いに住んでいた多くの人々が強制退去を余儀なくされるなど、環境は非常に劣悪で健康にも悪影響を及ぼしています。実際、ある文献ではマカダラにある非正規居住区地区では妊産婦死亡率(MMR)(2024年)が全国平均の2倍近い706に達しているといったデータも示されています。 (※MMR:出産10万件あたりの妊産婦の死亡数)

政府による低所得者向け住宅の建設も進んでいますが、本当に困っている人たちが住める価格なのか……。課題は山積みです。

支援が「形」になる誇り

今まで一年数か月ほどケニアを担当してきましたが、実際にケニアを訪れたのは初となりました。今回の視察では、実際に自分の目で見ることで、多くの学びを得ることができました。

劣悪な環境で生まれ育った方々のために、私たちができることは何か。
手術室設置という医療施設の環境整備に加え、医療従事者に対する緊急産科・新生児ケア研修およびメンターシップを実施し、研修を一度きりで終わらせるのではなく、現場で確実に実践できるよう継続的に支援していきます。さらに、5S-カイゼンによる医療環境の改善にも取り組むことで、サービスの質と安全性の向上を図り、より持続的に母子保健サービスの強化を進めていきます。

このような取り組みを通じて、一人でも多くの母子の命を守る支援ができることを、私たちは心から誇りに思っています。

皆さまからの温かいご支援が、確実にケニアの現場を動かしています。 これからも、現地の変化をしっかりと伝えていきますね!

JOICFP
ジョイセフは、すべての人びとが、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRH/R)をはじめ、自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界をめざします