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ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)

2019.2.15

途上国には経済的な理由から医療サービスを受けられず、健康を脅かされ、不安な毎日を送っている人が数多く存在します。このような状況を一刻も早く解決するために、国際社会でユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を推進する動きが高まっています。

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)とは

全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態のこと*

UHCの主な内容は次の3つです。

つまり、UHCとは、「誰もが、どこでも、お金に困ることなく、必要な質の高いプライマリー・ヘルスケアを受けられる状態」を指します。

2012年12月12日の国連総会においてUHCが国際社会の共通目標として全会一致で議決され、2017年の国連総会で正式に12月12日が「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ国際デー」となりました。そして2019年9月の国連総会で、歴史的な「UHC政治宣言」が採択されました。グテーレス国連事務総長は本政治宣言を「グローバル・ヘルスに関して成立したこれまでで最も包括的な合意」であるとしています。

UHCをめぐる国連と日本の動き
国連の動き 日本の動き
2012年12月12日
国連総会でUHCを国際社会の共通目標として推進することが議決される
2013年5月
国際保健外交戦略でUHC主流化を柱に据える
2014年
外務省NGO研究会『NGOのためのUHCハンドブック』発行
2015年9月
「持続可能な開発目標(SDGs)」のターゲットのひとつとしてUHCの達成が位置づけられる(ターゲット3.8)
2015年9月
開発協力大綱の保健分野の課題別政策として策定された「平和と健康のための基本方針」においても、政策目標としてUHCが柱のひとつに据えられる
2016年
UHC2030のための国際保健パートナーシップ(International Health Partnership for UHC2030,略称:UHC2030)が発足**(国際保健パートナーシップ(IHP+)が拡大・強化する形でUHC2030が発足)
2016年5月
G7伊勢志摩サミットで初めてG7としてUHCに触れる
2017年12月12日
国連で正式に毎年12月12日を世界ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)デーと定める
2017年12月
世界銀行、WHOと市民社会との共催でUHCフォーラムを東京で開催

外務省NGO研究会『ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と市民社会の取り組み』~誰一人取り残さないUHCを目指して~発行(編集:ジョイセフ)

2019年9月24日
国連「UHCに関するハイレベル会合」が開催され、初の「UHC政治宣言」が採択される
2019年
G20初の財務・保健大臣会合を行い、UHC財政強化を打ち出す
公益財団法人ジョイセフ作成

UHC図解

ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)

-地球上の全ての人が負担可能な費用で基礎的保健医療サービスを受けられるように-

定義
  1. 質の高い基礎的な保健サービス(安価な必須医薬品とワクチン等)へのアクセス
  2. すべての人々に対する経済的リスクからの保護

(参考)
*世界保健機関(WHO)https://www.who.int/health-topics/universal-health-coverage#tab=tab_1)
*厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158223_00001.html

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