知るジョイセフの活動とSRHRを知る

アフガニスタンの現場から。私たちの仕事は、現場のバックアップ

2023.8.9

海外事業グループ 甲斐和歌子

「暴力の被害で来院する母子が増えている。どうにかしなければ」。アフガニスタンの母子保健クリニックから、そんな相談が来た。経済悪化による食糧不足、失業、そして、家族の生活がすべて男性に重くのしかかっていることなどが背景にあるようだ。

クリニックのスタッフが家庭訪問し介入することもあるけれど、タリバン政権下ということもあり、表立って女性に対する暴力の問題に取り組むことが難しい。何か少しでもできることはないかと、クリニックのスタッフたちが提案してきたのが、被害者への相談窓口の設置とカウンセリング。そのために自分たちにも研修をしてほしいと相談してきた。

研修は、イギリスの専門医によるオンライン講座で実施した。スクリーンに映し出されるスライドを女性医師も看護師たちも食い入るように見て、教授の話を一言も聞き逃すまいと熱心に聴き入っている。一人でも多く助けたい、その方法を知りたい! その表情は、焦りと責任とに満ち溢れている。

そんな彼女ら・彼らに私ができることは、環境を整え、安心して病院に勤務してもらえるようにすることだ。給与、医薬品、医療機器、研修……。現場で頑張っている人たちがいる限り、それをバックアップするのがジョイセフの仕事だ。

アフガニスタンでは干ばつも起こり、多くの人々が食糧難に遭った。医療スタッフたちも食料難に遭っている。そして特に女性医師を含む女性スタッフは、政変後はリスクにさらされながら活動している。だから現場での支援はもちろん、日本国内からの人々の応援は、きっと心の支えになるに違いない。

女性たちの駆け込み寺を絶やさないよう、今、私ができることに全力を尽くしたい。

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