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G7広島サミットに期待すること

2023.5.19

ジョイセフは、G7の公式エンゲージメントグループのWomen7(W7)の事務局として、G7広島サミットに向けて、2023年4月にW7サミットを開催し、W7の提言(コミュニケ)を岸田内閣総理大臣に手渡す等、積極的な活動を行ってきました。
その甲斐あって、G7サミットに向けて5月13日から14日に長崎で開催されたG7保健大臣会合(G7サミットに関連して開催される閣僚会合で、国際保健分野の諸課題についてG7の閣僚間で議論を行う)で出されたG7保健大臣宣言で、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスに関するサービスを全ての人に確保することが約束されました。また、SDG3(健康と福祉)、SDG4(ジェンダー平等、女性のエンパワーメント)の達成の加速化も再確認しました。この流れを受けて、G7広島サミットにおける首脳宣言に、W7の提言がしっかり反映されることを期待しています。

W7から岸田総理に手渡した提言(コミュニケ)に入れた5つの柱

1. 女性のエンパワーメント、意味ある参加、リーダーシップ

日本に根付くジェンダーや単一国家的な構造を見直し、家族や社会、経済で女性が影響力を発揮するために、クオータ制(政治分野などにある今ある格差を埋めるため、ジェンダーの比率をあらかじめ確保して割り当てる制度)の採用や、教育システムの改善、賃金格差の是正などが記されています。

2. 女性の経済的正義とケアエコノミー

ケアエコノミーとは、家事や育児、介護、看護などのケアワークに関する経済活動のこと。世界的なパンデミックや生活費の高騰などにより、経済的不平等が悪化し続けています。家事や育児、介護、看護などのケア役割を担うことが多いすべての女性のジェンダー平等の保証を求めるものです。

3. 身体の自立と自己決定

ジェンダーに基づく以下の3つの課題に焦点を当てています。

  • ジェンダーに基づく暴力(GBV)
  • 性と生殖に関する健康と権利(SRHR)
  • 性的指向・性自認・ジェンダー表現・性的特徴(SOGIESC)

社会規範や差別的な法律により、多様な人々が疎外されています。彼らが平等な機会を得たり、社会に参加したりするために、法整備や包括的性教育と性と生殖に関する健康のケア、すべてのジェンダーとセクシュアリティの平等の確保を要請しています。

4. 持続可能性と正義のためのフェミニスト外交政策

フェミニスト外交政策とは、人種、性別、階級、性的指向、性自認など複数の個人のアイデンティティが交差して存在する差別の現状を理解したうえで、ジェンダー平等の推進に取り組むこと。男性中心の画一的な意思決定の場により多様な視点を含めることで、男性も含めて誰もが自分らしく生きられる社会にするためのアプローチとして「フェミニスト」という言葉を使っています。持続可能性(サステナビリティ)に関するところでは、気候変動によって女性が被る影響の対処や、資金へのアクセスを求める内容も記述しています。

5. ジェンダー平等のための説明責任と財源調達

実際にG7での宣言がどのように政策に反映されているのか、その過程も公開する説明責任が果たされているかどうかをウォッチすべき必要性を述べています。

なお、この5つのテーマに横串を通すために[インターセクショナリティ]の視点を入れ込むことを注意して提言書を作成しました。

W7コミュニケ 日本語版 PDF

G7広島サミットという世界中が注目する首脳会合で、かつ日本が議長国となる今年、そのチャンスを利用して、わたしたち市民の声を届けたい。国内外でさまざまな機会で世の中の生きづらさを感じている人の声を届けることは、市民社会の使命だと考え、ジョイセフは、G7サミット(2023年5月19日から21日開催)の期間中、開催地広島で、以下のようなジェンダー平等促進のためのアドボカシー活動を行います。

2023年に、新たに発足したLGBTQ+の人権保護・政策提言に関するエンゲージメントグループPride7(P7)と、W7は、合同の記者会見およびパフォーマンスを実施します。随時インスタライブでも中継を予定しています。

5月19日(金)13:00-14:00「W7&P7合同記者会見」

会場:広島市青少年センター2階「第二講義室」
住所:広島県広島市中区基町5-61
広島市青少年センターへのアクセス:http://www.y-center.jp/access.html
内容

  • W7:大臣会合声明の分析・評価など
  • P7:趣旨説明、P7の概要紹介、コミュニケの内容、昨今の法案の動き、同性婚の動きなど説明
  • (大臣会合コミュニケをうけて)、Q&A
5月20日(土)13:00-14:00「W7&P7合同パフォーマンス」

会場:広島市青少年センター外/広島市青少年センター2階「レクリエーション室」(雨天時)
内容:W7/P7によるスピーチ。メンバーによるパネルを持った写真撮影など
登壇者:P7、W7関係者
※場所は天候・現地状況に応じて変更になる可能性がございます。事務局までご連絡ください。

G7広島サミット閉幕直後には、サミットで発表された首脳宣言に対する分析や声明発表等を行います。

5月21日(日)14:00-15:00「W7&P7合同記者会見&パフォーマンス」

内容:首脳会合コミュニケに対する分析・声明発表
登壇者:P7、W7関係者

詳細はこちら(PDF)

W7とは(英語サイト)

Women7(W7)は、G7の公式なエンゲージメントグループで、G7プロセスの中でジェンダー平等と女性の権利に関する提案を促進するために集まった市民社会組織の集まりです。W7の目的は、G7の指導者たちが、あらゆる多様性を持つ女性・少女の人生に対して、持続的で変革的な影響を与えることができる具体的な政治的・財政的約束をするようにすることにあります。

※W7は、ジョイセフが共同幹事を務める一般社団法人SDGs市民社会ネットワークの事業ユニットである「ジェンダーユニット」を中心に構成され、活動を行っています。

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G7 広島サミットの開催〜W7ってなんですか?

問合せ先
W7実行委員会(ジョイセフ 草野洋美)
080-4085-0996 または 070-7595-8466
w7japan2023@gmail.com
https://women7.org/

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