社会に合わせて支援方法も変化が必要。 そこに大きな可能性を感じている。

開発協力グループ
山口 悦子

私がジョイセフに就職したのは、子どもの頃から抱いていた「アフリカに関わる仕事がしたい」という気持ちからです。

私が子どもの頃は、アフリカといったら、野生動物のことくらいしかテレビで知ることができませんでした。それで、どういうところなのかとても関心を持ったのが、アフリカへの想いの出発点です。それでアフリカを題材にした小説などを読んでいました。

高校生頃から、アフリカでの仕事を考えるにあたり、開発の問題があるから国際協力の仕事をしなければならないのだろうと漠然と考えるように。その頃のアフリカはHIV関連の話題が多く、それならば保健分野へ進もうと、いろいろ探しました。そのタイミングでジョイセフに入ることになったのです。

アフリカに関わり、開発協力でジョイセフの存在意義を体感

スタッフとなってからずっと、開発協力の事業に携わっています。しばらくはアジアの業務が多かったのですが、2008年から、念願叶ってガーナへ。初めてのアフリカ、現地の人たちと衣食住を共にしながら仕事をした経験は、今でも印象に残っています。

現在はグループ内のすべてのプロジェクトを統括する立場ですが、これまでの海外での経験を踏まえて今、あらためてジョイセフの存在意義を考えています。

私がジョイセフに入った頃は、日本の公衆衛生の成功の経験を海外に移転していくところに活動の意義があると言われていました。

それから年月が流れ、またその中でいろいろな経験を積み、改めて感じるのは、日本の公衆衛生の成功に大きく寄与したのは、住民の力だということです。

だからジョイセフの役割は、開発途上国で住民の力を引き出す側面支援、つまり住民と一緒に自分たちの健康をどのように守っていくのかを考え、実行に移せるようなサポートをしていくことです。だからこそ、常にサポートのためのツールや技術を強化していかなければと考えています。

そのためには現地の市民組織が力をつけ、その国の政府と対話できるよう、アドボカシーも含めたサポート技術も磨いていかなければなりません。
一方で、途上国の人々のニーズに、日本の人たちがどうやったら関心を持ってくれるのかも考えています。

グローバル化が進んだ現代は、国境や先進国・途上国など、いろいろなボーダーがなくなってきています。これまでは遠い国で起きている問題だったものが、日本も同じような課題に直面していたり、その問題の原因を作り出しているといったことに気づく機会も多くなっていると思います。そこへコロナ禍で、プロジェクトの進め方のオンライン化が進み、違う国に住んでいても住民間の「距離」は縮んできました。今後は、サポートする側とされる側ではなく、一緒に学びながら共に成長していく後押しをジョイセフができるかもしれません。

日本人と途上国の人たちが共通の課題について共に学び、相互の学びを活かしてそれぞれ国内の課題解決や相手の国の課題解決支援に向けたアクションを起こす、、そのファシリテーションを新たな支援の形として考えられるのではと思っています。その方法論を考え、実践していけるようにするのも、海外と日本両方で活動しているジョイセフだからこそやるべきことだと考えています。

見てきた可能性の芽をしっかり育てていきたい

先日、ガーナの人たちと、オンラインでワークショップを実施しました。私たちが現場に行けないので直接ファシリテーションができないため、ファシリテーション技術を現地の人たちに移転した上で実施しました。現地の人たちは「自分たちでやらなければ」という強い意気込みをもって事前の技術移転セッションに臨み、本番をやり遂げたことで、彼らの技術力・自信共に大きく向上しました。

こうして育った人たちが、私たちに代わって近隣の国に同じ技術移転支援に行ってくれる。つまりこれまでのやり方だけではできなかった範囲まで支援を届けられるようになるのです。だからこそ遠隔でも活動ができるオンライン化の世界的な急速な進展に、とても可能性を感じています。

また、海外においては今、開発協力、アドボカシー、日本の市民社会との協力というジョイセフの3つの柱がつながって回り始めた気がしています。これがよりうまくいけば、途上国で市民組織の能力強化支援ができるのではないかと考えています。たくさんの国の、そこで地域の発展のために頑張っている人たちとそのプロジェクトを、少しずつでも支援したいですね。

社会が変化している中、私たちNGOの支援のやり方もどんどん変わっていかなければなりません。オンライン化が進むのはその一部です。変わることはこれまでの形が止まるのではなく、進めやすくなるということと捉えています。その際、歩みを進める側に常に立っていたいというのがジョイセフの想いです。

また、業種や専門分野の壁を飛び越えて、いろいろなフィールドの人たちと一緒にやっていくことも不可欠になっていくはずです。例えば農業や水の分野と保健分野の連携は始まっていますが、これまで個別に動いていた分野が協働することで協力の質を高め、よりよい循環を生み出すことができるはずです。

こうした協力は、私たちだけでやれることよりも何十倍もすばらしい社会を実現できる可能性を秘めています。社会の変化を前向きに捉え、その変化に柔軟に対応する形で、今、そしてこれから私たちジョイセフや私ができることを、常に考えていきたいです。

PICK UP CONTENTS