中国貴州省道真県・雷山県住民参加型総合貧困対策モデルプロジェクト

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プロジェクト名 中国貴州省道真県・雷山県住民参加型総合貧困対策モデルプロジェクト
実施国 中華人民共和国
活動の目的 貴州省道真県・雷山県において、住民に家庭保健サービスを提供し、さまざまな研修活動を通じて住民の生計向上を強化し、生活の質の向上を目指すと同時に、地域組織の能力強化を図り、住民参加型の総合貧困対策モデルを確立する。
実施地域 貴州省(道真県、雷山県)
対象人口 道真県民約337,000人、雷山県県民約149,000人
スキーム等 国際協力機構(JICA)技術協力プロジェクト
プロジェクト期間 2005年11月~2010年3月
共同実施機関(現地) 国家人口計画生育委員会、貴州省人口計画生育委員会、道真県政府、雷山県政府
主な活動
1)健康教育を通じた家庭保健活動
住民に対し健診や健康教育を実施し、保健サービスを提供することで住民の健康に対する意識を向上させました。住民は手洗い場や飲料水施設、衛生トイレなどの改善の必要性を次第に認識し、良好な衛生習慣を身につけるようになりました。
婦人科健診で村の女性への健康相談(雷山県)

婦人科健診で村の女性への健康相談(雷山県)

2)生活の質の向上、生計能力の強化を図る
住民に対する農業・畜産技術の研修や技術指導を行い、生産活動資金を必要とする世帯に対し住民自ら選んだ生産物資を提供し経済活動の活性化を支援しました。支援農家から回収された資金を別の世帯に活用(リボルビングファンド活動)することで、収入向上、住民の自立発展能力の強化を図りました。
3)皆で力を合わせて村の発展を目指す
住民自身が自分たちの生活する地域の将来について考え、目標や活動計画を定め、各種の村民組織を立ち上げ、住民同士が互いに助け合いながらより良いコミュニティの建設を目指しました。
4)住民参加型貧困対策プロジェクトモデルを確立し、マニュアルを作成
本プロジェクトの経験を総括し、住民参加型貧困対策プロジェクトのモデルの一つとして「健康促進と農村発展活動実施マニュアル」を作成しました。本プロジェクトは、中国政府が全国で推進している「新農村建設」(生産を発展させ、生活にゆとりをもたせ、村を文化的にし、村の状況を整え、民主的な運営を行う)活動推進に役立つモデルとして高く評価されています。マニュアルを参考にプロジェクト各県や貴州省の他の地域に普及させ、全国の関係機関に配布し本プロジェクトの経験を全国に紹介することにもなっています。
現地からの声 雷山県西江鎮副鎮長の言葉

「プロジェクト活動を通じて得られた成果はいろいろあるが、その中でも村民の人たちの自立発展意識が向上したことを強く感じる。技術を学ぼうとする意欲、外に出て視野を広げたいという思い、新しいことに挑戦してみるという勇気、確実に意識が変わりつつある。村民が互いに刺激しあい、交流をすることで村の人間関係もよりよくなってきているといえる。」