若い女性の自立とSRHの質の向上プロジェクト

地域ウガンダ活動分野家族計画母子保健思春期保健ジェンダー / 女性のエンパワメントアプローチ保健システム強化ヘルスプロモーションSDGs

プロジェクト名 ウガンダJPP 若い女性の自立とSRHの質の向上プロジェクト
実施国 ウガンダ共和国
活動の目的 子宮頸がん検査、家族計画、性感染症を含めた質の良いSRHサービスと啓発活動を提供し、若年妊娠を予防する
実施地域 カバロレ県 フォートポルタル地区
対象人口 カバロレ県人口 337,800人
事業期間 2024年4月~2027年3月(3年間)
スキーム等 民間企業協力事業(サラヤ) 
共同実施機関(現地) ウガンダ家族計画協会(RHU)
背景 ウガンダ西部のカバロレ県フォートポータル地区は、豊かな自然と観光資源を持つ一方で、HIV陽性率が16%と国内平均を大きく上回り、若年妊娠率も25%と高い水準にあります。特に子宮頸がんはウガンダにおけるがんによる女性の死亡原因の約4割を占め、その多くが末期で診断されるなど、性と生殖に関する健康(SRH)の分野における課題は深刻です。
こうした背景を受け、本プロジェクトでは、若者のSRHへのアクセス改善と若年妊娠の予防を中心に据えた活動を展開しています。特に地域の若者がSRHに関する正しい情報を伝えられるようになるためのCommunity Resource Personの育成とその継続的な啓発活動(月2回)に力を入れています。
また、若者が安心して保健施設を利用できるよう、医療従事者への子宮頸がんや家族計画に関する研修を行ったり、週1回のアウトリーチ型の保健サービス提供を通じて、子宮頸がん、HIV、STIの予防啓発・スクリーニングを実施しています。医療施設では個人防護具(PPE)やアルコール消毒剤などの支援物資も提供され、感染症予防と安全な診療体制の強化も進めています。
さらに、地域社会との連携を強化するため、王族や伝統的リーダーとの対話や地域住民との会合を通じて、SRHに関する社会的理解と支援の強化にも取り組んでいます。地域の女性の自立を目指して、10代で妊娠したシングルマザーを対象にスキル向上ワークショップとフォローアップも行っています。
本プロジェクトは、若者自身の力を引き出しながら、地域ぐるみでSRHに関する知識とサービスへのアクセスを高め、若い女性の健康と自立、そして地域全体の福祉向上を目指す包括的なアプローチを展開しています。
主な活動 1.ヘルストークの実施

研修を受けたピアエデュケーターと医療従事者による、若者に対するヘルストーク(健康教育セッション)の実施

Siyama AsiimweさんとJudith Aheebwaさんが協力して、共同でヘルストーク(健康教育セッション)を実施した様子


2. アウトリーチ活動によるSRHのサービス提供(子宮頸がん、HIV、STIの感染予防を含む)

3.地域との連携によるサポート強化
プロジェクトサイトへの現地モニタリングと助言・アドバイス(サポーティブスーパービジョン)の実施、年次レビュー会合

4.女性の自立のためのスキル向上支援(石けん制作)

現地からの声 1.Judith Aheebwaさん(医療従事者)

ウガンダでは、18歳になる前に結婚する女性が49%、15〜19歳の女性の24%がすでに母親または妊娠中です。学校を妊娠で中退する女子は10人中3人にのぼり、教育を受けていない女性の45%がすでに出産経験があります。SRHの正しい知識と家族計画(FP)の必要性について、地域の若者たちと話し合える場を持てたことは大きな一歩です。若年妊娠した女の子たちは、パートナーに拒絶され、家族や地域社会からも孤立するケースがあります。出産時の合併症、HIV/エイズや性感染症の感染、家庭内暴力など、多くの困難に直面しています。若い女性たちには、計画的な人生とキャリアを築くために、適切な家族計画の選択肢を持ってほしいと願っています。

2.Siyama Asiimweさん(ピアエデュケータ―, カゴテ地区)

ピアエデュケータ―として、ヘルスワーカーと共同でヘルストーク(健康教育セッション)を実施しています。同世代の若者に、避妊や性感染症の予防など、SRHRに関する内容を伝えています。
参加者から「家族計画の方法を使うと生理が止まるのはなぜ?」という質問がありましたが、「ホルモンの影響による一時的な変化で、副作用として現れることがあるけれど、ほとんどの場合は心配いらないよ」と伝えました。「等身大の経験とデータに基づくメッセージ」を心がけて、信頼できるヘルスワーカーと連携して、正確な情報を伝えたり、参加者の疑問に答えたりしています。