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「知っていれば防げた」子宮頸がん

2025.8.11

  • 途上国の日々
  • 活動の現場から
  • ジョイセフフレンズ通信

ザンビアの女性たちの自分と家族を守るちからを応援

ジョイセフフレンズの皆さま、こんにちは。
8月は、ザンビアに駐在中の久保が、現地での日々の活動や変化の様子を皆さまにお届けします。

保健センターに検診に来た双子の赤ちゃんと撮影

ジョイセフフレンズの皆さま、いつもあたたかいご支援を本当にありがとうございます。皆様のご支援のおかげで、子宮頚がんの検査や簡易治療が事業地の保健施設でできるようになりました!
皆さまのご寄付は、遠くザンビアで暮らす女性たちのいのちと健康を守る、大きな力になっています。

この1年間、私が赴任しているザンビアでは、地域の女性たちが子宮頸がんから身を守るためのさまざまな取り組みが行われてきました。ザンビアでは、女性にとってとても身近でありながら、命にかかわる病気のひとつが「子宮頸がん」です。この病気は、HPVワクチンや定期的な検診によって防ぐことができます。しかし地方では、必要な情報や医療が行き届かず、多くの女性が病状が進んでからしか病院に行けないのが現実です。

この課題を解決するために、ジョイセフはザンビアの保健省や地域の医療スタッフ、ボランティアの方々と協力して、予防と早期治療を広げる活動を進めています。
私は以前、日本の病院で看護師として勤務していました。日本では、子宮頸がん検診は主に医師が行いますが、ザンビアでは研修を受けた看護師が対応しており、現場の体制は大きく異なります。例えば、検診時に女性スタッフを同席させる配慮やスペースの整え方など、日本では当たり前だった経験が文化の違う現場でも活かされていると感じます。男性看護師が対応する場面もあるため、現地スタッフと協力しながら丁寧な対応を心がけています。

研修にて子宮頸がんスクリーニングを保健スタッフに指導する郡の担当者

この1年で、13,000人以上の地域の人たちが「子宮頸がんとは?どう予防するの?」など、正しい知識を知ることができました。地域のボランティアたちは、フリップチャート(紙芝居のような図柄を使った解説)や対話カードといった啓発ツールを使って、地域の集まりなどでの対話を通じてわかりやすく説明しています。

ボランティア研修の最終日に皆で、ルコンバ地区にて

保健センターに来ていた住民に、対話カードを使って子宮頸がん予防の話をするボランティア

また、9〜14歳の女の子たちには、子宮頸がんの原因となるウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチン接種を呼びかけています。医療スタッフも新たに訓練を受けて、これまで検診が受けられなかった地域でも、検診や初期治療が始まりまったことで、遠くの村から歩いて来る女性の姿も見られます。

「がんのことを知ることができて安心した」「家族にも検診をすすめています」といった声が、少しずつ地域から届いています。こうした前向きな変化が生まれているのは、フレンズの皆さまの継続的なご支援があるからです。

さらにこのプロジェクトでは、女性たちが経済的にも自立できるよう、裁縫などの収入づくりの支援も行っています。生活の安定は、病気の予防や治療にもつながります。

収入創出活動の裁縫ワークショップ ムタバヘルスセンターにて

「知っていれば防げた」「支えがあれば助かった」
そう思う人を一人でも減らすために、私たちは活動を続けています。

皆さまの毎月のご寄付が、ザンビアの女性たちの「自分と家族を守る力」になっています。
ザンビア子宮頸がん予防の更なる支援を呼びかけています。
https://www.joicfp.or.jp/jpn/2025/07/17/57039/
これからもこの取り組みをご一緒に応援してください。


ザンビアの主食、メイズというトウモロコシの粉で作る「シマ」作りに挑戦。焦げ付かないように混ぜるのが結構大変です。地元の人は、もっと大きなお鍋と大きな木べらで作るのでとても力がいります。駐在生活は大変なこともありますが、こんな異文化体験がとっても刺激的でやめられないのです。

ザンビアから久保がお送りしました!ではまた!ナトテラ(ベンバ語のThank you!)

ジョイセフ 編集室