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ケニア人スタッフジルのウガンダ活動報告

2025.11.11

  • 途上国の日々
  • 活動の現場から
  • ジョイセフフレンズ通信

こんにちは、ジョイセフフレンズの皆さん!ジョイセフケニア事務所のカントリーマネージャー、ジルです。

ケニアでは今年のホワイトリボンランでご支援いただいたスラムの女性と若者に包括的性教育を届ける活動を実施しています。

ジョイセフでは、アフリカ各国のプロジェクトで得た経験を互いに活かし合うため、双方向の経験共有を定期的に行っています。
今回は、ケニアで子宮がん予防治療やSRHR(性と生殖に関する健康と権利)のための行動変容に取り組む専門家として、私がウガンダに派遣されました。ケニアでの経験を現地チームと共有しながら、ウガンダでの活動のモニタリングや指導を行いました。
私が見たウガンダの素晴らしい活動をご報告します。

遠隔地に希望を届ける「巡回保健サービス」

ウガンダでの活動の中でも、特に地域で求められているのが、現地で「アウトリーチ」と呼ばれている、巡回保健サービスです。これは、訓練された人材の不足や避妊薬の在庫切れなどにより、サービスを受けられない農村地域に、SRHRの保健医療サービスを届ける活動です。
この巡回保健サービスにより、住民は自宅の近くで必要な保健医療を受けることができるようになりました。プロジェクトでは、1回の活動あたり平均103人もの利用者が保健医療サービスを受けており、そのニーズの高さが伺えます。

私が巡回保健サービスを視察した際、実際にサービスを利用した方にお会いして話を聞くことができました。
カバシングジ・ガートルードさん(38歳、5児の母)
「この巡回保健サービスでは、避妊のサービスだけでなく、他の保健施設では受けられなかった子宮頸がん検診も受けることができました。HIVと子宮頸がんの結果がどちらも陰性で、とても安心しました。私は友人にも検診の重要性を伝えて受けるように勧めます!」

地域を変革する「ピア・エデュケーター」の大きな影響力

プロジェクトでは、現地の若年妊娠の課題に取り組むため、地域の若者をピア・エデュケーターとして育成しています。育成されたピア・エデュケーターは10名。彼らは単に正しい性の知識を伝えるだけでなく、地域に大きな変化をもたらしています。

ヌウェ・バクナさん
「ピア・エデュケーターの研修を受けて、若年妊娠の問題について具体的な予防策を議論し、10代の母親にカウンセリングもできるようになりました。この活動のおかげで、地域住民から私は若者のインフルエンサーとして認識されるようになり、現在は住んでいる地域の議員として立候補しています。もし当選したら、医療保健サービスへのアクセス向上のために道路や保健所の建設を提案したいと考えています」

一人のピア・エデュケーターの成長が、地域全体のインフラや政策を変える可能性につながっています。人材育成の大きな成果だと感じました。

質の高いサービスを支える「ヘルスケアワーカー」の育成

プロジェクトでは、持続可能で質の高いサービスを提供するため、10名のヘルスケアワーカーが子宮頸がん検診と前がん病変の治療に関する研修を受けています。
専門性の向上は、彼らの自信と意欲を高めています。

イボン・ニャカイシキさん(助産師)

「2025年7月の研修で、子宮頸部の位置確認、病変の特定、治療(熱焼灼)の実施スキルが向上しました 。研修後は、他の施設から紹介された女性を治療したり、より高度な治療が必要な女性を適切な医療機関に紹介したりしています」


イボンさんのように、プロジェクトでスキルと自信を身に着けた人々が、ウガンダの未来の医療を支えていきます。

経済的自立を促す「石鹸作りスキル研修」と持続可能性

プロジェクトでは、若年妊娠によりシングルマザーとなった10代の母親たちが、子どもたちのために収入を得られるよう、石鹸作りのスキル研修を実施しました。合計10名の少女が訓練を受け、起業のための資金を受け取りました。

ペイシェンス・キガンボさん(18歳)
「石鹸作りビジネスを始めてから、その収入で赤ちゃんの必要なものだけでなく、自分の学校の文房具の費用までまかなえるようになりました」

彼女たちは自らの手で生活を支え、学びを続けるための手段を得ました。今後は、彼女たちが継続して収入を得られるよう、プロジェクトでは地域のマイクロファイナンス機関と彼女たちの活動を連携させることを目指しています。これにより、さらなる事業拡大のための資金を調達できるようになります。生活を支えるスキルと将来の資金調達への道筋をつけることで、一過性ではない経済的自立を目指しています。

短期派遣ではありましたが、ウガンダでの熱意と成果を直接見ることができ、ケニアでの私の仕事にも大きな刺激となりました。ジョイセフフレンズの皆さんのご支援、そしてウガンダのプロジェクトを支援してくださっているサラヤ株式会社のお力添えで、ウガンダでいかに大きな希望の種が蒔かれているかを肌で感じています。本当にありがとうございます!
ウガンダで得た学びを、またケニアでのプロジェクトに活かしていきたいと思います!次回機会がありましたら、ケニアからの報告もさせていただきますね!

今年もホワイトリボンランのエントリーが開始されました!

ホワイトリボンラン


今年は北海道から沖縄、そしてシドニーまで、62カ所に拠点があります!
フレンズの皆様のお住まいの地域にも拠点があるかもしれません。すぐに定員に達する拠点も多いので、ぜひお早めにエントリーください。

エントリーはこちらhttps://white-ribbon.org/white-ribbon-run/
ホワイトリボンランは、3月8日国際女性デーと連動させて、ジョイセフが2016年から発足したチャリティアクションです。ホワイトリボンが掲げる「すべての女性が健康で自分らしく生きられる世界」を目指し、ホワイトリボンの支援の輪を広げることを目的としています。 3/8 国際女性デーに向けて、「走ろう。自分のために。誰かのために。」というスローガンを掲げ、同じ公式Tシャツを着て世界の女性のためにみんなで走り、バーチャル(インターネット)でつながって世界中にホワイトリボンのムーブメントを起こします。 エントリー費の収益全額が寄付され、世界の女性の命と健康を守る活動に使われます。

ジョイセフフレンズのみなさまへ重要なお知らせ

クレジットカード決済代行会社の変更に伴う、お手続きのお願い

このたびジョイセフでは、本年12月に、セキュリティ向上のため、クレジットカードからのご寄付の引き落としを行う決済代行会社を変更いたします。
12月中旬以降は、新しい決済代行会社の寄付フォームから継続寄付(毎月寄付)をお申し込みいただくことで、切り替えが完了します。
詳細につきましては、後日改めてご案内させていただきます。大変お手数をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

クレジットカード番号の変更が必要な方へ

お急ぎでなければ、新しい寄付フォームでご登録を開始するまで、恐れ入りますが、約1か月ほど変更お手続きをお待ちください。
現在のカードでお引き落としができないなど、お急ぎでお手続きされる場合は、12月にも改めてご登録が必要になりますので、ご承知おきください。ご不便をおかけいたしますことを、心よりお詫び申しあげます。

JOICFP
ジョイセフは、すべての人びとが、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利:SRH/R)をはじめ、自らの健康を享受し、尊厳と平等のもとに自己実現できる世界をめざします