ジェンダー勉強会「SDGsに書かれなかったLGBTの権利」を開催 

2017.9.15

  • レポート
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 持続可能な開発目標(SDGs)で、ジェンダー平等の達成は掲げられていますが、LGBTには直接的な言及がありません。国連人権理事会は性的指向や性自認にかかわる暴力や差別からの保護を決議している一方、世界には、同性婚が合法の国から、同性間の性行為に死刑などの重罰を科している国まであり、SDGs策定のための国連交渉では、LGBTの権利を共通目標に含むことはできませんでした。
 世界のLGBTについての課題を考える「SDGsに書かれなかったLGBTの権利」が2017年9月4日、SDGs市民社会ネットワークのジェンダーユニット(世話人:織田由紀子JAWW副代表/石井澄江ジョイセフ代表理事)主催で開かれました。原ミナ汰さん(「共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」代表理事、「LGBT法連合会」共同代表)、明智カイトさん(「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」代表)、稲場雅紀さん(「SDGs市民社会ネットワーク」専務理事)が、日本はLGBTの権利について先進的な法律を持つ国々と比べて同性間のパートナーシップの法的保護などが遅れていること、一方、世界ではかつて英国の植民地であった国々やイスラーム圏などを中心に、「反ソドミー法」(同性間性行為に重刑を課す法律)の影響が残る地域や、各国でのLGBTへの人権侵害、男性の中での女性性の忌避感から日本の教育現場では「女っぽい」男性への過酷ないじめなど、さまざまな面での課題が出され、議論が展開されました。

持続可能な開発目標(SDGs) 17すべての目標に求められるジェンダーの視点