ザンビアにおける子宮頸がんの検査促進プロジェクト
すべてのプロジェクト地域ザンビアアプローチプライマリヘルスケア / 地域保健強化保健システム強化施設改善・資機材供与SDGs3.すべての人に健康と福祉を5.ジェンダー平等を実現しよう17.パートナーシップで目標を達成しよう
プロジェクト名 | ザンビアにおける子宮頸がんの検査促進プロジェクト Promotion of Cervical Cancer Screening in Zambia |
---|---|
実施国 | ザンビア共和国 |
活動の目的 | これまでのSRH事業に子宮頸がん検査を統合させ、早期発見・治療の体制を整備し、予防啓発教育を通し、子宮頸がん検査・治療へのアクセスを向上させる。 |
実施地域 | コッパーベルト州 マサイティ郡ンジェレマニ地区、ムポングウェ郡カルウェオ地区 |
対象人口 | プロジェクトサイトの15-49歳の女性 4612人 |
実施期間 | 2023年8月~2025年7月(2年間) |
スキーム等 | ジョイセフGOGOグローバルチャレンジ事業 |
共同実施機関(現地) | マサイティ郡保健局、ムポングウェ郡保健局、ザンビア家族計画協会(Planned Parenthood Association in Zambia: PPAZ) |
背景
ザンビアの子宮頸がん罹患率は34.1%で、世界でワースト3※1の高さです。子宮頸がんの正しい知識や情報が不足しており、予防や検査への意識が低いのが課題です。近年学校でのHPVワクチン接種率は高いですが、学校へ行っていない女性やワクチンを受けていない女性の検査促進が必要です。
子宮頸がんは、発覚するのに時間がかかる病気です。ザンビアでは、農村地域では検査や治療の体制が整備されておらず、ほとんどの患者は進行した段階で診断されます。
また、子宮頸がんはHIVと共に生きる女性の間で最も多く見られるがんで、HIVと共に生きる女性が子宮頸がんを発症するリスクは、そうでない女性の6倍です。そのため、子宮頸がん検査はHIV陽性者が受けるという偏見もあります。ザンビアにおける15-49歳の女性のHIV陽性率は13.8%と他国と比べても高く、男性の陽性率7.5%と比べても高い数値です※2。
子宮頸がん検査・治療へのアクセスを向上させ、がん発症のリスクを減少させるため、幅広い女性を対象とした啓発教育活動と子宮頸がん検査と治療を含めたサービス強化が必要です。
※1 ※2 Human Papillomavirus and Related Diseases Report 2021, Kenya, Ghana, Zambia, Uganda
主な活動
3つの成果目標を達成するために、以下のような活動を実施します。
成果① 地域住民、特に15歳~49歳の女性・男性への子宮頸がんに関する正しい情報が普及する
1-1 母子保健・子宮頸がんに関する状況調査
1-2 母子保健推進員や若者ボランティアへの行動変容のための母子保健・子宮頸がんに関する研修
1-3 啓発教育活動のための教材制作
1-4 母子保健推進員・若者ボランティアとの年次会合
成果② 子宮頸がん検査及び治療の体制を整備する
2-1 子宮頸がん検査と治療機材の導入
2-2 保健スタッフへの子宮頸がん検診と治療に関する研修
2-3 子宮頸がん検査と治療サービスに関する調査
成果③ 子宮頸がん検査・治療のための地域支援体制を強化する
3-1 地域保健委員会へのプロジェクトに関するオリエンテーション
3-2 コミュニティの収入創出活動と行動計画のモニタリング
現地からの声
- チャンダ・クリスタベル ンジェレマニ保健センター看護師
Chanda Christabell, Nurse, Njelemani Rural Health Center子宮頸がん検診は、前がん細胞やがん細胞を早期に発見するのに役立ちます。子宮頸がんが早期に発見されればされるほど、生存率を向上させることができます。子宮頸がん検診が保健センターでできるようになれば、コミュニティの人が検診を受けるために病院まで長距離を移動したり、移動にお金をかけたりする必要はなくなります。このプロジェクトを通して、子宮頸がんの診断、治療、管理など総合的な医療サービスを提供し、女性の健康を向上させていきたいと思います。
- クリスピン・カトンゴ ムポングウェ郡カルウェオ地区 母子保健推進員(SMAG)
Chrispin Katongo, SMAG, Kalweo, Mpongwe District私は2015年にジョイセフの研修を受け、SMAGとしての活動を始めました。私のいるカルウェオ地区のフィバレAゾーンには、113世帯350人の住民がいます。ジョイセフの子宮頸がんの行動変容研修を受けて、コミュニティで啓発活動を始めました。このプロジェクトが始まったことを、コミュニティの人はとても喜んでいます。なぜなら、自分たちが住んでいるところから歩いていける距離で、または少ない交通費で検査を受けにいけるからです。今日は自分の姪を子宮頸がん検診につれてきました。自分の家族やコミュニティの人たちが健康に生きていけるように、命を守る保健サービスを多くの人に伝えていきたいです。