ミャンマー

Myanmar

ミャンマーでは、妊産婦死亡全体の80%が農村部で起きており、農村地域での妊産婦の健康改善が課題となっています。特にデルタ地帯に広がる農村地域では、貧しさに加え、河川が多いために、病院への搬送、助産師や医師による出産の立会いが難しく、多くの妊産婦の命が危険にさらされています。

ジョイセフでは、
妊産婦死亡の課題が深刻な地域の一つであるチャウンゴン・タウンシップにおいて、
農村地域における妊産婦の健康改善のためのコミュニティ能力強化プロジェクト
(JICA草の根技術協力事業)を通して、妊産婦が必要な保健医療サービスを利用しやすくするための支援を行いました。

また、JICAの民間技術普及促進事業の支援を受けて、ユニ・チャーム株式会社とジョイセフとの協働により、5つのタウンシップで
月経教育を通じた生理用ナプキン普及促進事業
を実施し、ミャンマー初となる中学校での月経教育ツールの開発にも取り組んでいます。

2017年からは、寄付金を活用し、村の住民に最も近いところにある小規模の保健施設の改修支援プロジェクトを開始します。老朽化により妊産婦への保健医療サービスの提供が困難となっている村の保健施設を改修し、妊産婦が安心してサービスを受け、出産ができる場所の確保を目指すプロジェクトを開始します。
准農村保健所の改修支援プロジェクト


農村地域における妊産婦の健康改善のための
コミュニティ能力強化プロジェクト

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プロジェクト地区のチャウンゴン・タウンシップ(人口約16万6800人)は、デルタ地帯で河川が多く、雨期には浸水被害が頻発し、交通・移送手段の確保が難しい地域です。医師や助産師による出産の立ち会い率は全国平均(50.2%)より低い40.8%に留まっていました(プロジェクト開始前)。

プロジェクトでは、妊産婦が必要な情報とサービス(産前産後健診・専門技能者の介助による出産・緊急時の搬送等)を早期に適切なタイミングで受けられるようにするための地域ぐるみの取り組み、保健サービスと地域住民を繋ぐための体制作りに取り組みました。

また、既存のシステムを活用し、連携を強化することで、プロジェクトが終了しても活動が継続していくことも目指しました。例えば、以前にジョイセフとJICAが協力しミャンマー政府が育成した母子保健推進員(保健ボランティア)を再研修し活性化させること、地域住民と保健施設のスタッフが一緒になって母子保健向上のための計画を立てる機会をもつこと、助産師をはじめとする保健スタッフの技能を向上させ、母子に提供するサービスの質を向上させること、などを通して、コミュニティ一丸となって母子保健を向上させる取り組みを行うことで、活動の継続をはかりました。

主な活動

  • 妊産婦の健康改善を目指すコミュニティの基盤づくり
  • 住民参加型保健計画の策定と実行
  • 住民参加型の健康教育活動
  • 地域で働く助産師や保健スタッフの研修
  • 地域密着型の保健ボランティア「母子保健推進員」の研修
  • m01-1真剣に研修を受ける助産師たち
  • m01-2妊婦体操を教える助産師と学ぶ母子保健推進員

2年8か月のプロジェクト期間を通して、訓練を受けた介助者(助産師・医師等)が立ち会う出産の割合、産前健診受診率、妊婦の破傷風予防接種率、末端の医療施設から上位の医療施設への搬送・照会率は全て向上し、目標を達成しました。

中央省庁からタウンシップまで各レベルの保健スポーツ省カウンターパートが常に高いコミットメントを示して、妊産婦の健康改善という共通の目標を目指して活動する良い協働関係を作り出せたこと、母子保健推進員や地域指導者、保健スタッフなど、コミュニティでの地域参加型保健活動を推進する上で核となる人たちの能力が事業を通じて強化され、彼らによるコミュニティレベルの活動が活発化していったことが、成果につながりました。

プロジェクトの概要

目的 妊産婦が保健サービスを利用しやすいコミュニティづくり。
また、保健サービス(産前健診や予防接種等)の利用増加による、対象地域の妊産婦や新生児の健康状態の向上。
実施地域 エヤワディ地域チャウンゴン・タウンシップ
実施期間 2014年2月~2016年9月
対象人口 全人口166,873人(うち妊婦3,338人、5歳未満児14,720人)
支援機関 JICA(国際協力機構)
現地協力団体 ミャンマー国保健スポーツ省公衆衛生局妊産婦保健・リプロダクティブヘルス課および健康教育課、チャウンゴン・タウンシップ保健局 他

月経教育を通じた生理用ナプキン普及促進事業

m02-01生理用ナプキンの試供品として、女子生徒全員に、MYCARE Unicharm社のSOFY Evaが1パックずつ配布された

ミャンマーでは、学校教育の場で10代前半の女子を対象とした月経教育が行われておらず、月経や第二次性徴に関する知識が不足しています。

プロジェクトでは、当該年齢の女子が身体の変化を肯定的に受け止め、理解するために必要な情報・知識を得る環境や手段を整備し、さらには女性の将来の社会における活躍基盤形成の一助となるよう、ミャンマー保健スポーツ省、ユニ・チャーム株式会社と連携・協力し、10代前半の女子の衛生・月経教育教材開発支援を行っています。

ユニ・チャーム社が開発し日本で活用されている月経教育教材「はじめて からだナビ」を基にミャンマー語版を制作し、バゴー地域・エヤワディ地域の5つのタウンシップにおいて、学校保健活動の一環として月経教育活動を実施しています。

ミャンマー版の制作時には、ミャンマーで受け入れられやすいように、内容やイラストを変え、教材を使う人、受け取る人、さらに保健スポーツ省の意見も取り入れながら最終版制作に向けて、修正を重ねました。

また、月経教育セッションも、現場の意見を取り入れながら、指導案を作り、保健スタッフに配るなどして、月経教育の実施に必要な技術の移転を図っています。今後、月経教育活動の効果について調査・分析も行い、調査結果を基にミャンマーの現状に適した月経教育モデルを構築し、成果を広く共有する計画です。

これまで、ミャンマー版教材ドラフト案作成、教材内容検討のためのワークショップ、教材作成、指導者向け教材活用研修、月経教育実施、フィードバック収集まで実施しました。これらの活動を通じて、5つのタウンシップの31校で月経教育が行われ、当初の目標よりも多い、6100人の中学校の女子生徒と、4500人の保護者が月経や第二次性徴に関して必要な情報に触れる機会を得ました。

本事業で配布した教材や月経教育がきっかけとなり、これまで公に話されることがなった月経や身体の変化について、親子間での会話ができるようになったという報告もあります。

  • m02-02月経周期について習い、指で数えていく女子生徒
  • m02-03中学校の学校保健活動の一環で、月経教育を行うタウンシップ保健局の職員

プロジェクトの概要

目的 ミャンマー国政府・保健スポーツ省公認の月経ツールを開発し、それを活用して思春期を迎える女子に月経教育を実施、生理用ナプキン試供品配付を行い、生理用ナプキンの使用を普及・促進する。
実施地域 エヤワディ地域・バゴー地域の5つのタウンシップ
実施期間 2015年7月~2017年6月
対象人口 実施地域の6000人の中学校の女子生徒と3000人の保護者
支援・協力機関 JICA民間技術普及促進事業
ユニ・チャーム株式会社
現地協力団体 ミャンマー国保健スポーツ省学校保健課、健康教育課、妊産婦保健/RH課、各地域保健局、各タウンシップ保健局

准農村保健所の改修支援プロジェクト

目的 老朽化が激しい村の保健施設を改修し、女性が安心して出産できる環境を整える。
実施地域 エヤワディ地域チャウンゴン・タウンシップ サウ・アイン村他
実施期間 2017年4月~
対象人口 妊産婦、地域住民
資金ソース 寄付金
現地協力団体 ミャンマー国保健スポーツ省公衆衛生局妊産婦保健・リプロダクティブヘルス課および健康教育課、チャウンゴン・タウンシップ保健局 他

村の住民に最も近いところにある小規模の保健施設(准農村保健所)には、助産師が常駐し、出産介助を含め、妊産婦が必要とする保健医療サービスを提供していますが、施設の老朽化が激しく、未だ竹や籐を建材して用いている施設も多く耐久性に問題がある施設も少なくありません。

ジョイセフでは、2017年より、寄付金を募り、チャウンゴン・タウンシップで老朽化が激しい村の准農村保健所を改修し、妊産婦が安心してサービスを受け、出産ができる場所の確保を目指します。

准農村保健所はそれぞれが管轄する地域の妊産婦を含む住民約4000人の健康を守る要となります。
皆さまのご協力をお願いいたします。

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