2023年9月8日

【ジョイセフフレンズ通信9月号】2023年ザンビアでの新たなプロジェクト始動!〜ジェンダーに基づく暴力と子宮頸がん予防の取り組み〜

photo by mumuko

ジョイセフフレンズのみなさん

こんにちは

ジョイセフの栗林桃乃です。
夜に聞こえる虫の声が秋らしくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
2015年の9月大学4年生の時、私はジョイセフフレンズとして活動の視察のためにザンビアへ渡航し、当時ジョイセフが手掛けた3棟目のマタニティハウス(出産待機施設)が完成したのを視察しました。あれからちょうど8年が経とうとしていますが、現在もジョイセフフレンズのみなさまのご支援のもと、村人達の手で綺麗に維持され、地域の妊産婦さんのために活用されています。
ジョイセフは世界でも妊産婦死亡の特に多いザンビアを長年支援し、そしてザンビアの活動で培ったノウハウをさらに他のアフリカ地域にも広げています。
今回はザンビアで新たに着手する取り組みについて、担当の船橋より報告します。

こんにちは。ジョイセフでザンビアの事業を担当している船橋です。

ザンビアでは今年2つの新たな事業を開始したのでお知らせします。

これまでは妊産婦の健康改善を目的に、「ワンストップサイトにおける生涯の女性の健康づくりプロジェクト」(2018年‐2020年、外務省支援)を実施し、既存の保健センターを拠点に、母子保健棟、マタニティハウス(出産待機施設)、ユースセンター、助産師住居を地域の同じエリア内に建設することで、そのエリアを訪れれば1か所で必要なリプロダクティブヘルスに関する情報とサービスを提供できるよう、女性の健康づくりをコミュニティで包括的に展開してきました。

▼妊婦健診を受ける女性

2018年カルウェオ地区のワンストップサービスサイトにあるユースセンター

コロナ禍では、外出制限や都市封鎖などが続き、保健センターへ行く人たちが感染をおそれ、保健サービスへのアクセス、特に家族計画サービス、産前産後健診、安全な分娩などが打撃を受け、意図しない妊娠や若年妊娠、ジェンダーに基づく暴力(Gender-Based Violence:以下GBV)が増加しました。

このような状況を受け、ジョイセフでは、「ザンビアにおけるコミュニティエンパワメントによるジェンダーに基づく暴力(GBV)対策事業」を2023年3月から開始したのです。

住民に行ったアンケート調査報告では、86.9%が過去1か月に何らかの暴力を受けたと回答し、特に、パートナー(夫や恋人)によるGBVが多く占めていました。プロジェクト対象地であるセントラル州カピリ・ンポシ郡では、保健センターまでのアクセスが課題であり、農村地域では、GBVに関して相談する人や場所がほぼない状況です。

事業では、これまで育成した保健ボランティアなどがGBVに関する啓発教育を行えるように育成します。また、地域リーダー、伝統的リーダー、警察官、コミュニティパラリーガル(弁護士補助)、マレッジカウンセラー(結婚相談)などと連携協力し、地域全体でジェンダー平等の推進によるGBV予防活動、被害者のケアやサービスの提供、女性の経済的自立支援に向けたエンパワメントに取り組んでいきます。

そして、もう一つ新たな事業は、55グローバルチャレンジ事業です。

子宮頸がんの罹患率が世界ワースト3 のザンビアにて「子宮頸がん検査促進プロジェクト」を8月末から開始しました。村の保健センターでは、子宮頸がん検査や治療が受けられるところがほぼありません。また、子宮頸がんは、症状が末期にならないとわかりにくく、また州立病院や首都の病院でしか検査や治療の医療が整備されていないため、アクセスが課題となり手遅れになるケースが多いのです。さらに、女性のHIV陽性者が子宮頸がん感染のリスクが高いことも知られており、ザンビア女性のHIV感染率は、14.2%、男性は7.5%と世界的にも高い推移で、年間新規に3,100名の子宮頸がんの症例があり、年間1,900人が亡くなっていると報告されています(出典:https://www.afro.who.int/photo-story/boosting-cervical-cancer-screening-women-living-hiv-zambia)。

▼2023年8月55グローバルチャレンジ開始式典(スピーチをする事務局次長 小野)

photo by mumuko

これまで妊産婦支援を行ってきたワンストップサービスサイトにて、子宮頸がん検査、前がん病変の簡易な治療ができるように整備し、コミュニティの啓発教育活動の強化により、早期発見、早期治療を促進します。引き続き事業の進捗をしていきたいと思いますので、是非みなさまの温かいご支援、ご協力を宜しくお願いいたします。

IPPFザンビア ンドラ支部
プロジェクトマネージャー アリス・シンインザさん動画メッセージ

動画はこちら

2023年8月、ジョイセフフレンズでジョイセフアンバサダーの冨永愛さんがザンビア・ウガンダを視察し、視察時のレポートをインスタグラムで発信中!

photo by mumuko

ジョイセフの支援を受けた現地の女性へのインタビューも掲載しています。是非ご覧ください。

ジョイセフ公式インスタグラムはこちら

【ジョイセフフレンズ限定公開】冨永愛さんの視察の様子を動画にまとめました!

視察動画はこちら

【お知らせ】

9月28日木曜開催!Meets Kenya 高尾美穂産婦人科医が見たケニア
~家族計画、子宮頸がん、ジェンダーの課題へのチャレンジ~
帰国報告会参加者募集

来週から、ジョイセフの強力なサポーターで、アクティビストでもある産婦人科医の高尾美穂先生が、再びケニアのジョイセフの活動地を訪れます。

ケニア滞在期間中は、日本の産婦人科医専門家として、ジョイセフによる、妊娠出産や中絶、子宮頸がんにより亡くなる女性を減らす取り組みを視察し技術指導を行います。また、ヨガインストラクターとして、ケニアの妊産婦を対象にマタニティヨガを実施します。

高尾先生にとって通算3回目の訪問となるケニア。ケニアの今は先生の目にどのように映ったのでしょうか。

今回は、高尾美穂先生が副院長を勤めるクリニック:イーク表参道に会場提供のご協力をいただきました。交流を深める目的も兼ねまして、対面で帰国報告会を実施します。「高尾美穂のリアルボイス」を生で聞ける貴重な機会です。皆さま、奮ってご参加ください。

■開催日時  2023年9月28日(木)19:00~20:00(受付18:45開始)

■開催場所  イーク表参道( 表参道駅「A2出口」より、徒歩4分。明治神宮前駅より徒歩1分)

■定員    50名(先着申込順)

■参加費無料

参加申込みはこちら

【9月24日締め切り】ホワイトリボンラン拠点運営者募集中

国際女性デーにむけて開催するチャリティアクション「ホワイトリボンラン」。

「ホワイトリボンラン」を地元で開催して、日本全国、地域をつないでくれる仲間(拠点運営者様)を募集しています!

詳細はこちら

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栗林桃乃
国内外のジェンダーの課題に興味を持ち、大学時代〜現在ジョイセフフレンズとしてジョイセフの支援をしている。いつかジョイセフで活動をと志し、2022年にジョイセフに入職。前職はホテリエ。接客で身につけた対人スキルと2年ほど広報・企画として働いた経験を活かし現在はジョイセフで活動中。国内支援者連携窓口、思い出のランドセルギフト事業統括。日本の若者を性に関する悩みや課題から解放したい思いでI LADY. の活動もサポート。性にとらわれない生き方を実践したい。パートナーとコーギー犬との3人家族。趣味はパートナーと走るロードバイク。