人権としての「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」をすべての女性へ

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2022.2.25

3月8日は国際女性デーです。この日に、ジョイセフは、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進するという、私たちのミッションを心に刻みなおし、国内外での活動をより強化することを改めて誓います。

3月8日は国際女性デーです。この日に、ジョイセフは、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)を推進するという、私たちのミッションを心に刻みなおし、国内外での活動をより強化することを改めて誓います。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界に拡大して以来、私たちは、日本を含む世界各地に根強いジェンダーの不平等がより鮮明になり、SRHRをめぐる状況が悪化し、この分野への国際支援が大きく回復の兆しを見せていないことを、深く憂慮しています。

開発途上国では、児童婚や若年妊娠、女性性器切除(FGM)の増加など、若い女性から学ぶ機会と人生の選択肢を奪い、命と健康を危険に晒す事態が深刻化しています。先進国でも、ジェンダーに基づく暴力が増え、人工妊娠中絶に関する規制が強化されるなど、女性のSRHRを後退させる動きもみられます。

ザンビア カルウェオ地区。コロナ禍でも妊産婦が利用したくなるようにSMAGがマタニティハウスを毎日掃除をしています

 
 

日本では、世界経済フォーラムが発表するジェンダーギャップ指数によって、ジェンダー平等への歩みが遅く、先進国のみならず、多くの途上国からも立ち遅れていることが注目されています。先進国でありながら、女性が「産むか産まないかを主体的に選択する権利」を守るための環境も、国際水準に達していません。

日本を変える、若い世代とともに

私たちは、開発途上国でSRHRを推進すると同時に、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の進捗を示すSDGsの指標でも、SRHR分野が遅れている日本を変えたいと、強く思います。

この数年来、若い世代が日本のジェンダー格差を指摘する声をあげて、SRHRにも関心が高まっていることが、戦後、何十年もの間、日本のジェンダー不平等を正すために闘ってきたすべての世代の女性たちに、新しいエネルギーと希望を吹き込んでいます。

ジョイセフは、若い世代と共に、昨年末に「SRHRユースアライアンス」を立ち上げました。このアライアンスを通して、国内の具体的なSRHRの課題を解決し、ジェンダー平等を実現するために、多様で多彩な若者(個人/団体)によるアドボカシー(政策提言)を支援します。

日本の女性にも国際基準の選択肢を

SRHRを推進する団体として、「女性.選択できる世界」を目指し、ジョイセフは引き続き、若者支援、グローバル・国内における政策提言・啓発活動を行っていきます。喫緊の課題としては、緊急避妊薬が処方箋なしで薬局で、必要としているすべての女性が入手可能な価格で購入できること、さらに、高いハードルが予想されますが、今年中の認可が期待される経口妊娠中絶薬が、入手方法も値段も服用方法も、女性の人権が守られる形で扱われるよう、広く市民社会と関係各所に働きかけていきます。

2021年12月 安全で安価な「飲む中絶薬」の承認を求める約4万人の署名を有志団体が厚生労働省に提出し、記者会見を実施。

 

SRHRは基本的人権のひとつです。世界のどこにいても、誰もが年齢やジェンダーに左右されることなく、SRHRに関する情報を入手でき、望んだ時にセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービスを主体的に選択できなければなりません。ジョイセフは、これからも、国内外でSRHR課題の解決に向けた取り組みを続けます。

公益財団法人ジョイセフ
業務執行理事・事務局長
勝部まゆみ

 

#女性の健康が世界を変える