
2023年6月から塩野義製薬株式会社のご支援のもと、ガーナ・イースタン州アッパーマニャクロボ郡の5つの地区で進めてきた「コミュニティエンパワメントによる母子保健推進プロジェクト」が、2026年5月31日をもって終了しました。
プロジェクトの締めくくりとして、5月5日には3年間の歩みを振り返る「成果共有ワークショップ」を開催しました。5つの地区から、地域保健管理委員会メンバー*、保健スタッフ、保健ボランティア、OTC薬販売者など123名が集まり、現場の最前線で活動を実施してきた方々が一堂に会しました。ワークショップでは、塩野義製薬株式会社からのビデオメッセージや、州保健局長代理、アッパーマニャクロボ郡保健局長、ジョイセフ代表からの挨拶に続き、この3年間で得られた成果や調査結果が共有されました。各地区からは、助産師や保健ボランティアの方々が実際の現場での工夫や成功事例を発表し、参加者どうしが活発に意見を交わす、活気あふれる場となりました。
今回のワークショップで、とくに印象的だったのが、プロジェクト終了後も活動を続けていこうという、地域の人々の強い意志です。郡保健局からは、このプロジェクトで取り入れたでモニタリング・監督指導ツールを通常の業務に組み込んで使い続けること、そして今回対象に含まれていなかった2つの地区へも活動を広げていく方針が明らかにされました。
このような力強いコミットメントが生まれた背景には、プロジェクトの開始当初から「この活動を地域自身の力で継続していくこと」を関係者全員で大切にしてきたことがあります。対話を重ねながら仕組みを整え、人材を育て、地域の運営体制を少しずつ強化してきた3年間ーーその積み重ねが、今、地域の主体的な動きとして実を結んでいます。
※地域保健管理委員会:各地区の住民代表や関係者で構成され、地域の保健活動を管理・推進する委員会。保健施設に設置され、地域の保健課題の特定や活動計画の策定・実施、保健施設・設備の維持管理、資金調達などを担います。このプロジェクトでは、保健ボランティアへの定期的な監督・指導も行い、地域保健活動の持続性確保に重要な役割を果たしています。

事業終了後も活動を継続・発展させていく決意を表明する、アッパーマニャクロボ郡保健局長

地域保健管理委員会メンバーが適切なお金の管理が欠かせないことを、実際の帳簿を示しながら共有

完成したマタニティハウス運営ガイドを、アカテン保健センターで活躍している助産師さんに手渡しました。
5月29日にはジョイセフと郡保健局との間で、プロジェクトを通じて導入した活動の継続・発展に向けた覚書が締結されました。プロジェクトで培われた仕組みや経験が地域の主体的な取り組みとして引き継がれ、今後さらに発展していくことが期待されます。

覚書を交わすアッパーマニャクロボ郡保健局長とジョイセフ職員
3年間のプロジェクト事業の成果を については、今後あらためてご紹介する予定です。また、ガーナ初となるアカテン保健センター敷地内のマタニティハウスの建設・運営経験をまとめたガイドと、3年間のプロジェクトの軌跡を紹介する動画も公開しましたので、合わせてご覧ください。

3年間のプロジェクトの歩みをまとめた動画です。
- Author

吉留 桂
2001年よりジョイセフを通じてセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの実現に向け国際協力活動に従事。主に社会行動変容コミュニケーション分野(コミュニケーション戦略構築、教材企画・開発、教材使い方指導、住民主体の課題解決に向けた仕組みづくり等)の技術協力を通じた、住民の行動変容や支援環境づくりに取り組む。アジア・アフリカ・ラテンアメリカ16カ国の事業に携わる。趣味は合気道と料理。
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