女性健康センター設立と助産師能力強化プロジェクト
女性の生涯にわたる健康を守る女性に優しく質の良いリプロダクティブ・ヘルスサービスの提供モデルづくり

すべてのプロジェクトベトナム母子保健保健システム強化ヘルスプロモーション施設改善・資機材供与3.すべての人に健康と福祉を17.パートナーシップで目標を達成しよう

プロジェクト名 女性健康センター設立と助産師能力強化プロジェクト
実施国 ベトナム
活動の目的 質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスの提供モデルとして女性健康センターを設立し、同時に、村レベルの助産師の能力を向上すること、地域への出張クリニックや健康教育により、プロジェクト地域の農村・遠隔地の女性がよりよいサービスを受けられるようになることを目指す
プロジェクト地域 トゥア・ティエン・フエ省、クワンビン省、クワンチ省(フエ省の8郡内の農村・遠隔地域のコミューン、クアンチ省遠隔地域5郡及びクアンビン省遠隔地域2郡のコミューン)
対象人口 出産可能年齢の女性(15–49歳)、思春期及び妊産婦から中高年までの女性 (約40万人)
スキーム等 外務省NGO連携無償資金協力事業
実施期間 2015年3月~2018年3月
共同実施機関 ベトナム助産師会(VAM)
背景 ベトナムでは近年、保健医療の改善への努力により、妊産婦死亡率や乳幼児死亡率に大きな改善が見られます。
しかし、都市と農村・遠隔地の保健医療サービスの格差は拡大し続け、大きな問題になっています。都市部の病院は、高度医療を求める妊産婦で混雑し、医療従事者は多忙を極めています。長い待ち時間、流れ作業のように機械的な対応、プライバシーへの配慮には欠けており、お母さんと新生児2組が一つのベッドを分け合うことも珍しくありません。一方、農村・遠隔地の住民にとって、都市部の医療施設まで行くことは難しく、村の保健所が健康を守るための拠り所となっています。しかし、村の保健所で働く保健スタッフの多くが、長期にわたり新しい知識や技術を学ぶ機会がないままです。十分とは言えない知識や技術による保健サービスに、住民のみならず保健スタッフも不安を抱えています。住民への知識や情報も行き渡らず、農村部において思春期のリプロダクティブ・ヘルスや更年期へのケアにまで意識が届かないことにもつながっています。

ジョイセフは、現地で活動するベトナム助産師会と協力して、質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスの提供モデルとして女性健康センターを設立し、同時に、村レベルの助産師の能力を向上すること、地域への出張クリニックや健康教育により、プロジェクト地域の農村・遠隔地の女性がよりよいサービスを受けられるように活動を実施します。

主な活動

1.リプロダクティブ・ヘルスサービス提供モデルづくり
研修施設を持つ女性健康センターを設立し、対象地域の240人の助産師の能力向上のための再研修を行います。プロジェクトでは、女性の生涯にわたる健康を守るため、リプロダクティブ・ヘルスサービス提供の担い手であり、女性の身近な相談者でもある助産師を中心に、思春期から更年期までの質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスを提供することを目指しています。

2.出張クリニックサービス
女性健康センターでは、リプロダクティブ・ヘルスサービスを提供すると同時に、定期的な農村・遠隔地への出張クリニックを行い、村でも質のよいリプロダクティブ・ヘルスサービスを届けます。村の助産師との協力で行う出張クリニックには、農村・遠隔地ではアクセスが困難である医師による超音波診断や、住民に対する健康教育、思春期から更年期までのカウンセリングやリプロダクティブ・ヘルスサービスが含まれます。

3.指導者の育成を通した継続した指導
対象地域の省・郡病院で働く助産師を対象に、保健省の協力を得て指導者を育成し、これらの現地の指導者による助産師研修や継続した指導を通して、農村・遠隔地で働くコミューンの助産師の能力向上を図ります。

4.農村・遠隔地の助産師の再研修
再研修により、助産師が新しい知識と技能を習得して、農村・遠隔地の女性への質のよいRHサービスや情報が提供できるようにします。