2023年8月13日

【ジョイセフフレンズ通信8月号】ジョイセフ初、フランス語圏ブルキナファソでの挑戦。担当吉留のコロナ禍での試行錯誤とは。

ジョイセフフレンズのみなさん


こんにちは

ジョイセフで数少ない男性スタッフ代表の柚山です。
2人の娘(大学3年生と1年生)の父でもあります。
親となってしみじみ思うことですが、子どもがいくつになってもその時々の心配事があり、おそらく大人になっても心配がなくなることはないのかな・・・と感じています。その一方で、子どもは親が思っているよりずっと成長していて、信頼して見守っていこう、と思いつつも、やはり、年頃の娘たちの大学生活や恋愛のことなどなど、ついつい心配しがちになってしまいます・・・正直、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)のことを一番心配しています。とはいえ、男親としてどこまで踏み込むべきか、という悩みもあります。

若者の性と生殖に関する健康と権利(以下SRHR)に関する課題は万国共通ですが、開発途上国では日本以上に10代の妊娠の問題が深刻です。今日ご紹介するブルキナファソもそんな国の一つで、ジョイセフは現地の実施パートナーと協働しながら、思春期の若者のSRHRを支援するプロジェクトを実施してきました。

活動は7月31日をもって終了しましたが、フランス語圏初めての国で、プロジェクトリーダーとして様々な困難を乗り越えてみんなを引っ張ってきた吉留より、活動レポートをお届けしたいと思います。

<2020年3月に開始したブルキナファソ事業の基本情報はこちら>
https://www.joicfp.or.jp/jpn/2020/09/07/46650/
ブルキナファソは、家族計画の普及に力を入れていますが、若年妊娠、児童婚、女性性器切除(FGM)などの課題が残っており、特に児童婚の問題は深刻で、今も女性の52%が18歳未満で結婚しています(出典:世界人口白書2020)。

海外事業グループ、ブルキナファソ事業を担当している吉留(よしどめ)です。

2020年3月に開始したこの事業は、2023年7月31日で終了しました。7月26日に最後のプロジェクトマネージャーたちとのオンライン月例会議がありました。2020年5月から毎月開催してきたこのオンライン会議は、活動計画、進捗の確認、課題解決に向けた話し合いを重ね、前に進めていくための場でした。

このプロジェクトは、UNFPA(国連人口基金)ブルキナファソ事務所と2つの現地NGO(KIMI財団とブルキナベ家庭福祉協会)とパートナーシップを組み、4つの対象市で、思春期の若者が、自分たちのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)の権利を行使するための能力強化を目指して実施してきました。ジョイセフは、3年にわたり、社会行動コミュニケーションとモニタリング評価分野での技術支援を、日本・ガーナ・フランスからの遠隔と数回の出張を組み合わせて行ってきました。

▼(左から2番目)出張時の吉留

ブルキナファソはジョイセフにとって本格的な事業を行う初のフランス語圏の国。この4団体で一緒に活動するのも初めて。権利に基づくアプローチの思春期事業。更にコロナ禍で最初の1年以上渡航できない中での実施。2022年には2度クーデターが起こり、治安悪化により出張がキャンセルに。いろいろな「初めて」を経験しました。

▼成果共有ワークショップの様子


6月22日に首都のワガドゥグで開催した成果共有ワークショップで上映するために、この事業での活動を伝えるビデオが作成されました。私は制作途中の映像を見て内容のチェックをしました。その映像には、若者アクティビスト、大人サポーター、先生達が、学校や、人であふれるバスターミナルやマーケットで、私たちが試行錯誤しながら作った教材を使いながら、いきいきと若者達にSRHRについての啓発活動をし、移動クリニックやヘルスセンターでのSRHサービスへと若者たちをつなげている様子が映し出されていました。
移動クリニックのドアの取っ手は、何度も色々な人が開け閉めをした結果なのでしょう、壊れている様でした。「タブーを越えて、性について皆で話せるようになった」と若者アクティビストが語っていました。

▼教材を使用した思春期の子どもを持つ親を対象にした啓発活動の様子

▼若者を対象にした啓発活動の様子

映像を見ながらここに至るまでの、時に悪戦苦闘しながら皆で進んで来た道のりが思い出され、気がついたら声を出して泣いていました。こうした一人一人の地道な活動の積み重ねのおかげで、延べ37万人の思春期の若者達が、SRHRについての情報を得て、また20万人以上の思春期の若者が移動クリニックのサービスを利用することができたのです。

冒頭に書いたオンライン会議の最後に、4団体からの参加者がそれぞれ一言ずつ話しました。「このプロジェクトは、自分が担当している他の事業に比べて予算的には小さいが、本当にたくさんのことを学べた」「このプロジェクトを通じて学んだ戦略や方法を別のプロジェクトで使っていく」といった声が聞かれました。私を含め、関わった人自身が成長できたと思える事業に皆で育てられたこと、それぞれがこのプロジェクトでの学びを足場にして、次のステップを考えていることを嬉しく思いました。

これからも共に学びながら、プロジェクトを実施していきたいと思っています。是非応援してください。

 

=お知らせ=

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栗林桃乃
国内外のジェンダーの課題に興味を持ち、大学時代〜現在ジョイセフフレンズとしてジョイセフの支援をしている。いつかジョイセフで活動をと志し、2022年にジョイセフに入職。前職はホテリエ。接客で身につけた対人スキルと2年ほど広報・企画として働いた経験を活かし現在はジョイセフで活動中。国内支援者連携窓口、思い出のランドセルギフト事業統括。日本の若者を性に関する悩みや課題から解放したい思いでI LADY. の活動もサポート。性にとらわれない生き方を実践したい。パートナーとコーギー犬との3人家族。趣味はパートナーと走るロードバイク。