自転車1台で多くの人の命が助かる―。ウガンダの1女性が発した勇気あるひとことが、途上国の母子保健への支援を大きく前進させたといっても過言ではない。
今からさかのぼること約21年前。当時のウガンダは、独裁者であったアミン大統領が失脚して間もないころ。国土は荒れ果てていた。ジョイセフのスタッフが訪れたビクトリア湖に近い村では、食べるのが精一杯で遠い町の診療所へ行く交通費もなく、毎日のように葬式が行われていた。
スタッフが村の事情を長老からきいて、立ち去ろうとしたとき、群衆の中で訴えるような眼をしていた年配の女性が、同行した役人の制止を振り切り、スタッフに話しかけてきた。それが冒頭の言葉だった。スタッフは帰国後、放置自転車を途上国に贈る運動が日本で始まったことを知り、翌年、アフリカへの支援へとつなげた。
(スタッフの話)
自転車を贈る運動の以前は、保健分野の支援は、保健医療サービス、啓発や研修が主な方法でした。
しかし、ウガンダの女性のひとことで、診療所へたどりつく移動手段の確保も必要なことに気づきました。
こうした住民の声を軽んじることなく、支援に結びつけるのは、一人ひとりの生活に同じ目線で耳を傾けるジョイセフの創設時からの精神です。
