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【ザンビア現地レポート】すべての若者に「自分の心と体を守る学び」を!GBV予防と包括的性教育の現場から

2026.9.16

  • 活動の現場から

*GBV(ジェンダーに基づく暴力:性暴力や児童婚など、性別を理由とした暴力や不平等のこと)

いつも温かいご支援をいただき、本当にありがとうございます!アフリカ・ザンビアの現場から、最新の活動レポートをお届けします。

現在私たちは、現地の子どもたちや若者が自分の心と体、そして権利について学び、健やかに成長できる環境づくりを目指して、さまざまな研修や教材開発に取り組んでいます。今回は、9月に行った指導者研修(TOT)と、それに続く保健スタッフ・教員・警察 向け研修の様子をお伝えします!

ザンビアにおける性教育の現状と課題

ザンビア政府はこれまで、心と体の健康や人間関係、同意について総合的に学ぶ「包括的性教育(CSE)」を2014年に全国的に導入しました。しかし、当初は「Sex」という言葉が含まれていたことから地域や保護者からの反発も強く、昨年からは「Life Skills Health Education(LSHE:生活技能と健康の教育)」へと名称を一新。現在はユネスコなどの支援を受けながら新しい教科書の作成が進められています。

しかし、現場での導入にはまだ多くの課題があります。新しい教科書は一部の学年(小4と中1)で作成されていますが、今回プロジェクトが対象とする3校にはまだ配布されていません。教育局の担当者や現場の教員への研修も十分に行き届いておらず、現場では試行錯誤しながら授業を行っているのが実情です。

また、若者が自らのSRH(性と生殖に関する健康)について適切な選択ができるようになるためには、必要なときに、安心して保健医療サービスを利用できることも重要です。そのため、若者に寄り添った保健医療サービスを提供できるよう、保健施設で働くスタッフの能力強化にも取り組みます。さらに、学校に通っていない若者も多いことから、学校や保健施設だけでは十分に対応できません。保護者や地域リーダー、仲間(ピア)など、地域のさまざまな人々が若者を支えることが不可欠です。

こうした取り組みを支援するため、本プロジェクトでは、若者を取り巻く地域全体に働きかけ、それぞれの立場から若者のSRHを支えられる仕組みづくりを進めていきます。

その一環として、学校に通う若者だけでなく、学校に通っていない若者も対象に、地域で展開するLSHEを支える補助教材を作成します。

法律と現実のギャップに向き合う指導者研修(9月3日)

9月3日にはGBVと教育省のLSHEの担当 の専門家を講師にお招きし、指導者育成研修(TOT:Training of Trainers)を実施しました。刑法や児童法、婚姻関連法などを確認しながら、若者を取り巻く法的枠組み、また、今後本プロジェクトが取り組む学校内外のLSHE について理解を深めました。

「法律上は18歳未満の結婚が禁止されているのに、なぜ若年妊娠や児童婚が後を絶たないのか?」——参加者同士で文化的背景や家庭環境、同世代の仲間(ピア)からの影響などについて熱い意見交換が行われました。また、ケース発見後に警察など適切な支援機関へ繋ぐ(リファラル)ための連携強化も今後の重要な課題として見えてきました。

講義の合間には、長野県立大学がコミュニティ参加を促すために作成したすごろくゲームを参考に、思春期LSHEの オリジナルボードゲームも登場!マス目に書かれた思春期の性・生殖に関する健康と権利(ASRHR)に関する質問に答えながら、楽しく学び合い、現場の生の声や認識を収集する機会となりました。

実践的なワークショップと模擬授業(9月8日、9日)

先月からの研修が続くハードスケジュールの中、9月9日には2日間の実践研修が無事に終了しました!

研修では、月経教育や身体のしくみなど、知識の習得に偏りがちな性教育を、知識だけで終わらせず、意識や態度の変化につなげることを大切にしました。教員、保健医療関係者、警察関係者からも積極的にアイデアを引き出しながら、若者にとって本当に実践的で役立つプログラムや教材のあり方を、参加者とともに考え、形にしていきました。

  • コンセント(尊重と同意)やGBVのロールプレイ劇
  • 先生方による熱のこもった模擬授業
  • 学校・保健施設ごとの具体的なアクションプラン作成

校長先生をはじめとする現場の教員が参加してくださったことで、実際の学校現場でLSHEがどのように教えられているのか、より具体的かつ深く把握することができました。

現地の仲間とともに、次のステップへ!

現地の熱心なTOTメンバーとともに最新の教科書を確認し、確かな第一歩を踏み出せました。今回の研修では、非常に意欲的な現地メンバーと出会うことができ、一緒に教材の最初のドラフト(たたき台)を作成することができました!

今後は、村の若者たちの生の声や現状を丁寧にヒアリングしながら内容をブラッシュアップし、学校やコミュニティ全体で活用できるわかりやすい補助教材を形にしていきます。

子どもたちや若者が、自分の大切な心と体を守り、自分らしく生きていける未来を目指して——これからも現地の仲間とともに一歩一歩進んでまいります。引き続きたくさんの温かいご応援をよろしくお願いいたします!

久保 明日香
看護師としての経験を経て国際協力の分野へ。現在はザンビアで、ジェンダーに基づく暴力(GBV)の予防や若者のSRHR(性と生殖に関する健康と権利)の推進に取り組んでいます。