2018年5月16日

街角の歴史

通勤途中の街角で、ずっと気になっている看板があります。
歴史を思わせる色褪せた看板から、かつて、ここで家族計画(避妊)のためのコンドームを売っていたことがわかります。
今年50周年のジョイセフが創立されたころから、あるいは、もっと前からそこにあったのではないか、と思える看板の所有者は、「〇〇薬房」という、少なくとも店じまいしてから20年は経つと思われる昔の薬屋さん。住む人もなく、いつ取り壊されてしまうかもわかりません。

ジョイセフの創設に関わった人々はすでに他界されています。幸せなことに、私は創設者の國井さんが事務局長だった頃を知っていますが、國井さんを直接知らないジョイセフのスタッフも少なくありません。それでも、途上国の人口問題を解決するため、母子の健康を守るために、人間的家族計画を推進した創設者の理念は、セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス(SRHR)の分野で活動を続ける今のジョイセフにしっかりと受け継がれています。

時代のニーズに応じて新しい挑戦を続けるジョイセフですが、ジョイセフ創設に関わった人々が誰もいなくなったことに、時の流れを実感し、ちょっとの寂しさを感じて、その看板を記録に残しておこうと思い立ち、写真を撮りました。

ついでと言ってはなんですが、現役の薬局の前に置いてある、現役バリバリのコンドーム自販機の写真もご紹介。

 

ところで、1970年に日本で初めて大阪で開催された万国博覧会の時(って古すぎ?!)、大阪城の下に埋められたタイムカプセルに、コンドームも入れたとか。低用量ピルの認可まで、それから29年を待つことになります。

セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの道のり、長いです。

持続可能な開発目標(SDGs)
目標3 すべての人に健康と福祉を
ターゲット3.7 2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できるようにする。
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勝部 まゆみ
UNDPのJPOとして赴任したガンビア共和国で日本の国際協力NGOジョイセフの存在を知り、任期終了後に入職。日本赤十字でエチオピア北部のウォロ州に赴任するために一旦ジョイセフを退職、3年後に帰国・復職。ジョイセフでは、ベトナム、ニカラグア、 ガーナ、タンザニアなどでリプロダクティブ・ヘルスプロジェクトに携わってきた。2015年から事務局長、2017年6月から業務執行理事を兼任し、2023年6月に代表理事・理事長。