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アフガン政変から5年。厳しい情勢の中、44人の新しい命が無事に誕生しました

2026.8.13

  • 活動の現場から
  • ジョイセフフレンズ通信

こんにちは。ジョイセフの甲斐和歌子です。

いつもジョイセフフレンズとして、世界中の女性や母子の命と健康をあたたかく支えてくださり、本当にありがとうございます。
本日、8月15日はアフガニスタンでタリバンが復権して、ちょうど5年となる日です。

政変後の経済制裁や、自然災害の頻発。さらに近隣国からの難民の強制送還や周辺国の情勢悪化など、アフガニスタンを取り巻く環境は混沌を極めています。先月(7月21日)もヌリスタン州で深刻な洪水被害が発生しました。幸い、私たちが支援するナンガハール州の母子保健クリニックには大きな被害はなく、今後は家を追われた避難民の方々を積極的に受け入れていく予定です。

写真:アフガニスタン・ヌリスタン州の鉄砲水が発生した河川

女性の権利が制限され、生きることすら容易ではない状況下で、クリニックには日々300人を超える患者さんが「最後の頼みの綱」として押し寄せています。

そんな過酷な状況にあっても、希望が消えることはありません。 この半年間で、クリニックでは44人の元気な赤ちゃんが無事に誕生しました。

暗闇のような社会の中で生まれた新しい命は、現地の人々にとっても、私たちにとっても大きな光です。そしてこの命は、ジョイセフフレンズの皆さまが毎月あたたかい手を差し伸べ続けてくださっているからこそ、救うことができた命です。

フレンズの皆さまの支援がもたらした「この半年の成果」

皆さまからお寄せいただいた大切なご寄付(2026年クリニック運営費2,300万円、および昨冬の募金2,539,450円)により、無償の医療サービスや医薬品の提供を継続することができています。

【2026年1月〜6月の主な活動実績】
  • 外来診療・母子保健サービス: 3,131人以上に提供
  • 安全な分娩の支援: 44件(44人の赤ちゃんが誕生!)
  • 母子健康手帳の配布: 516冊(育児・栄養・健康管理の知識普及)
  • 子どもへの予防接種: 14,898人(感染症から命を守る)
  • リプロダクティブヘルス・カウンセリング: 683人
  • 難民への保健医療サービス: 602人(栄養不良児の治療・指導など)

クリニックに来た人の声

「無事に赤ちゃんを産むことができました。皆さんありがとうございます!」

30歳のサキナさんは、6人の子どもを育てる母親です。紛争が続くアフガンから逃れ、長年難民としてパキスタンに暮らしていましたが、パキスタン政府により強制送還され、3か月前に家族で帰国しました。住む家がなく、現在は仮設テントで生活しています。厳しい環境の中、第7子を妊娠していたサキナさんは、近所の女性からジョイセフが支援するクリニックの母子保健サービスを紹介され、出産のために来院しました。女性医療従事者のもとで無事に元気な赤ちゃんを出産し、産後の診察や新生児ケア、育児指導なども受けることができました。

サキナさん:「これまでの子どもたちはパキスタンで難民として暮らす中で出産しました。アフガニスタンに戻ってからの出産は初めてでしたが、無料で質の高い医療を受けることができ、医療スタッフも親切で、私も赤ちゃんも大切にケアしてもらえました」

「イランの戦争から逃れてきました。受け入れてくださり感謝です」

17歳のハディアさんと16歳のリザさんはカルシウム不足による全身の痛みに悩まされ、2歳のリナちゃんは甲状腺腫と診断されていました。一家はイランで暮らしていましたが、戦争が起こりアフガニスタンへの帰国を余儀なくされました。

ジョイセフが支援するクリニックで診察を受けた3人は、それぞれの症状に応じた薬の処方や治療を受けました。

母親のアビダさん:「夫はイランのガラス工場で働いていましたが、イランで戦争が始まり、家族で着の身着のまま母国のアフガニスタンへ逃げてきました。帰国後も夫の仕事は見つからず、苦しい生活が続いています。子どもたちにはひもじい思いをさせてしまい、3人とも病気を患い、元気をなくしていました。何も持たない私たちを、クリニックのスタッフの皆さんは敬意をもって温かく迎え、診察と治療をしてくださいました。クリニックのスタッフの皆さん、そして支えてくださる日本の皆さんに、心から感謝しています。」

「夫からの暴力を受けています。姉に連れて来てもらいました」

ナンガハール州の山間部に住む30歳のファティマさん(仮名)は、不安症、そして激しい下痢と嘔吐による脱水症状でクリニックを訪れました。家庭では夫が別の妻を迎え入れたため、十分な支援を受けられなくなり、暴力を受けて家を追い出されることが何度もありました。

ファティマさんの実家の家族が心配して、近隣の病院やクリニックを受診しましたが、どこも医薬品が不足しており治療を受けることができませんでした。その後、ジョイセフが支援するクリニックを紹介され、たどり着きました。クリニックでは点滴による脱水治療や必要な薬の処方を受けました。

ファティマさんの姉:「どこの医療機関にも薬がなく困っていましたが、このクリニックで必要な治療を受けることができ、本当に感謝しています」

これからも、彼女たちの「生命線」であり続けるために

タリバン復権から5年が経ち、女性や子ども、避難民など、最も弱い立場に置かれた人々を取り巻く環境は一刻の猶予もないほど厳しさを増しています。

他の医療機関で薬が底を突き、受け入れを拒否される中でも、ジョイセフのクリニックがドアを開け続けられるのは、「毎月支え続ける」と決めてくださったフレンズの皆さまの存在があるからに他なりません。

命の危険と隣り合わせで生きるアフガニスタンの女性や子どもたちにとって、このクリニックはただの医療施設ではなく、尊厳を持って生きるための「唯一の希望」です。

どんなに情勢が厳しくとも、私たちは彼女たちの生命線を決して絶やしません。どうかこれからもジョイセフフレンズとして、一緒に彼女たちの未来を支え続けていただけたら幸いです。

今後ともあたたかいご支援を、よろしくお願いいたします。

甲斐 和歌子
アフガニスタンプロジェクト担当。女性クリニック支援、ランドセルなどの物資寄贈、マンスリーサポーター「ジョイセフフレンズ」の担当も兼務。ジョイセフに入ったきっかけは、九州で育ちながら培ったジェンダーに対する問題意識から。日本そして世界のジェンダー平等を実現したい。将来の夢は日本やアフガニスタンの女性が住みやすい世の中になること。