西日本豪雨 被災女性・母子支援活動 進捗報告

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2019.3.11

未曽有の被害がもたらされた東日本大震災から8年が過ぎました。
震災の影響により、今なお困難な生活を強いられている被災者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

ジョイセフは支援者の皆さまからご寄付をいただき、2011年から2016年まで東日本大震災の被災地の女性・母子に支援を届けました。その活動からの学びと経験は、2016年の熊本地震、そして昨年7月に発災した西日本豪雨被災地での支援活動に活かしています。

岡山県、広島県、愛媛県の被災地では、女性・母子を対象に、各地の助産師会や子育て支援NPOと連携し、助産師によるカウンセリングや被災した母親たちが集まる場づくりの支援、また母子を元気にするイベントへの開催協力などの活動を実施してきました。

災害発生から半年を過ぎ、ジョイセフでは、被災した母親の心のケア支援に重点を置いたプログラムを今後実施していく予定です。最近の活動と合わせてご報告します。

【愛媛県】ジョイセフの被災者支援の経験をシェア

2019年2月2日(土)、愛媛県松山市で松山市男女共同参画センター(COMS)が主催するCOMSフェスティバルの中で、「母と子に寄り添う避難生活支援」というテーマの分科会が「ピアリンクinえひめ」主催で開催されました。

ジョイセフの小野美智代が登壇し、東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨の被災女性・母子支援で経験したこと、課題、学びなどを共有しました。参加者は、愛媛県在住で、未就学児をもつ母親たちを中心に、西日本豪雨をきっかけに、子ども支援の団体を立ち上げたという男性や、行政の母子保健の担当者20名で、次の災害に備えて今できることは何か、それぞれの立場で意見を出し合いました。


左から「なんよキッズ」代表の清水義郎さん、ジョイセフ小野美智代、「ピアリンクinえひめ」の田中菜さん、COMSの三好了太さん

 

ジョイセフは過去の災害の経験や教訓をひとりでも多くの皆さまと共有し、将来また災害が起きた時に最大限活かしていくことが大切だと考えています。

【岡山県】被災地の母子支援イベントを開催

~リフレッシュママサロン、ホワイトリボンラン、大島花子さんライブ~

2019年2月21日(木)、岡山県総社市のきよね夢てらすで、岡山県助産師会と連携し、被災した母親たちを対象に、リフレッシュママサロンを開催しました。


岡山県総社市で2月に開催したリフレッシュママサロンに参加したママたちと岡山県助産師会のみなさん

被災後やっと外に出られるようになったり、実家へ避難していて、春からの新学期に備えて戻ってきた母子25人が参加しました。アロマハンドマッサージをしたり、助産師さんと話したり、ほっとする時間を提供することができました。

東日本大震災被災地から岡山県助産師会に手作りのかわいいスタイが届いていました。これを参加したママたちにお土産として渡し、サロンは無事終了しました。

3月2日(土)には、倉敷市真備町でホワイトリボンラン2019の岡山拠点ランを行い、真備町から世界の女性たちにエールを送りました。ランの後には、路上にいまだ散乱していた細かい廃棄物を拾うボランティア作業を、地域のNPO「いのりんジャパン」と一緒に行いました。

午後には、総社市のきよね夢テラスで「大島花子さん&笹子重治さん」ライブを開催しました。被災地で必死で頑張る母親たちに心を休めてほしいと企画し、お二人の協力を得て実現したイベントです。大島花子さんは、東日本大震災の時にも、ジョイセフと一緒に支援活動をしてくれました。

50人を超えるママと子どもたちが参加し、笹子さんのギターのしっとりと心に響く音色と花子さんの優しい歌声と語りに聞き入りました。

被災したママたちに語りかける大島花子さん

ライブの後には、リフレッシュママサロンも開催し、親子でアロマハンドマッサージを体験してもらったりしました。

【愛媛県】ホワイトリボンラン2019 in 宇和島

~被災地のママと子どもたちが世界の女性のために走りました!~

2019年3月2日、吉田町をはじめ西日本豪雨で被災した地域から参加したママと子どもたちを含む54人のランナーが宇和島市丸山公園陸上競技場(ガイヤスタジアム)に集まり、ホワイトリボンラン2019の愛媛拠点ランを行いました。

「走ろう、自分のために、誰かのために」のスローガンのもと、被災地のママたちに「走る」ことを通して元気になってもらい、応援メッセージを被災地宇和島から世界の女性たちに届けたいと、愛媛助産師会とNPO「おかあさんといっしょ」との共催により、宇和島で初めて開催したホワイトリボンランです。


愛媛拠点ランに参加したママと子どもたち、愛媛助産師会のみなさん

ママランナーの中には、今回のイベントにボランティアとしても協力してくださった助産師さんに赤ちゃんを取り上げてもらったママたちもいて、再会を懐かしみ、子どもの成長を喜び合う光景も見られました。出産後も育児をはじめ様々な相談にのったり、寄り添い励ましてくれる助産師さんは、被災地のママたちにとって本当に心強い存在であることを感じました。

ホワイトリボンラン2019愛媛拠点ランに参加してくださった皆さま、運営に協力してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

【広島県】ホワイトリボンラン2019 in 広島

~ダイアモンド☆ユカイさんと一緒にラン、トーク&ライブ~

3月2日(土)、I LADY. アクティビストのダイアモンド☆ユカイさんが、昨年の熊本での参加に続き、「平成30年西日本豪雨」による被害が大きかった東広島でホワイトリボンランに参加しました。

東広島運動公園に、参加者約50名が集い、エクササイズをした後に、ホワイトリボンランをスタート。なごやかな雰囲気の中、みんなで楽しく走りました。

ラン後は、株式会社リライフ日興にて、ユカイさんとジョイセフスタッフ柴によるトークセッションやユカイさんによるライブが開催されました。トークでは、自然災害やセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する話をしました。

ユカイさんのトーク&ライブの様子はこちら 
http://www.wrun.jp/2019/archives/2398

今後の活動予定

ジョイセフは、2019年6月まで、以下の活動を引き続き実施していく予定です。

■ 被災地の母親たちへの心のケア支援プログラム

災害発生から半年以上が過ぎ、心身ともに疲弊していながらも、その自覚がなかったり、我慢していたり、リフレッシュする機会がない被災地のママたちが、出会い、つながり、自分自身を見つめ直すことにより元気になってもらえるように、専門家の協力を得て、心のケア支援プログラムを実施します。
実施にあたっては、託児サービスを併設し、被災地のママがプログラムに集中できるようにします。

東日本大震災時に実施した心のケア支援プログラム(リフレッシュ・ママクラス)の様子

■ 「女性と災害」リンク集の制作、および関係団体とのネットワーキング

防災・減災を目的に、災害時に女性にとって役に立つ情報のリンク集を作成し、関係団体・機関とのネットワーキングを通して、情報を発信していきます。

西日本豪雨被災女性・母子支援へのご寄付は3月末まで受け付けております。
皆さまの引き続きのご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。