⑤ 1995年 世界女性会議

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リプロダクティブ・ヘルスが誕生してから2021年の現在に至るまでの変遷をポイントを抜粋しながら、シリーズで紹介しています。

1995年―世界女性会議 (World Conference on Women)、北京

北京では、前年のICPDで取り交わされたリプロダクティブ・ヘルスに関するいかなる合意も、白紙にされてはならないという強い決意がみられた。英国政府代表団団長で、海外開発担当のリンダ・チョーカー国務大臣は、会議の席上次のように述べた。「カイロでは画期的な成果を上げたと私たちの多くが確信しています。

各国はカイロで、女性の地位向上とエンパワーメント(能力強化)、女性に対するあらゆる形態の暴力撤廃、妊娠・出産の調節に関する女性の権利を確約しました。これらについて再交渉することはできません」。

最終的に、180カ国以上の政府が採択した北京行動綱領(Beijing Platform for Action)は、ICPDにおける進展をさらに発展させた。
行動綱領は次のように明記している。
「女性の人権には、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスを含め、強制、差別、暴力を受けることなく、自らのセクシュアリティに関する事柄を管理し、それらを自由にかつ責任をもって決定する権利が含まれる」。(Paragraph 96)

北京会議では、中絶に関するICPDの文言がさらに強められた。それは安全でない中絶が多くの女性、特にもっとも貧しく、もっとも若い女性の生命を脅かすという認識からである。
安全で効果的なリプロダクティブ・ヘルスの手段があれば、安全でない中絶による死亡と傷害は減ることが認識された。

北京行動綱領は、中絶の非処罰化の可能性を提起し、違法中絶を受けた女性に対して罰則を科す法律の見直しを行うよう、各国政府に求めた。

思春期の若者

北京行動綱領も引き続き若者に対するリプロダクティブ・ヘルスサービスに注目した。「思春期の若者のためのカウンセリングおよびセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスに関する情報とサービスへのアクセスは、依然として不十分もしくは完全に欠如している。また若い女性には、プライバシー、秘密保持、敬意およびインフォームド・コンセント(医師等から十分な説明を受けた上での同意)に対する権利があることが、多くの場合、考慮されていない」。(Paragraph 93)

HIV/AIDS

北京会議では、HIV/AIDSが女性や思春期の少女の健康に「破滅的な影響」を与えることが認められた。彼女たちは安全で責任ある性行動を主張する力がないことが多い。結論として以下のことがうたわれた。「HIV/AIDSの影響は、単に女性の健康にとどまらず、母親や介護者としての女性の役割、あるいは家族を支える女性の経済的貢献にまで及ぶ。HIV/AIDSその他の性感染症が、社会、開発、健康に与える影響は、ジェンダーの視点からとらえる必要がある」。(Paragraph 98)

* 北京行動綱領は以下のURL参照
http://www.unwomen.org/~/media/headquarters/attachments/sections/csw/pfa_e_final_web.pdf(英語)
https://www.gender.go.jp/international/int_standard/int_4th_kodo/index.html(日本語)

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